何となく、先生辞めたいと思っているけど、本当に辞めてしまっていいのかな?後悔しないかな?
同じ教員で「私立学校」もいいのかなと思っているけど、私立の先生じゃできないことってあるのかな?
先生辞めたいな‥と思いつつも、本当に辞めていいのかなーと迷っていたり不安を抱えていたりしませんか?
私立学校も同じ学校だから、公立学校と同じ働き方ができるのかな?と思う方も多いと思います。
しかし、実際は、公立の学校で働いていると当たり前だと思っていることでも、実は公立学校でしかできないことってやっぱりあるんです。
なぜなら私立と公立では、学校の成り立ちが違うから。同じ「学校教育」でも教員として働く際に異なる部分がいくつかあるのです。
この記事では「公立の学校でしかできないこと」をご紹介します。
~自己紹介~
私は教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
学校採用担当として多くの学生や転職者と関わる中で「やっぱり公立の学校で働きたいです」と言われる方もたくさんいらっしゃいました。
そんな経験を基にご紹介します!
この記事を読むと、
- 公立学校でしかできないことが分かります
- 公立学校の教員をやめた時に、自分が後悔しそうなことが分かります
- 自分の中で大事にしている働き方や考え方が分かります
最後まで読んでいただいて、ぜひ自分に合った職場を見つける、1つの参考にしてくださいね。
【教員の転職】公立の学校でしかできないこと5選
それでは先に結論から。
公立の学校でしかできないことは、以下の通りです。
- 部活動(選抜選手ではなく、普通の生徒と一緒にがんばる)
- 地域貢献ができる
- 異動がある/いろんな学校で働くチャンスがある
- いろんな生徒に対応するスキルが上がる
- 公務員という働き方ができる
それでは、1つずつ見ていきましょう!
公立も私立も、それぞれ特徴が異なります。自分が働きやすいと感じるのはどちらか、考えてみてくださいね!
部活動(選抜選手ではなく、普通の生徒と一緒にがんばる)
中学校や高校には部活動があります。
例えば野球部。
公立でも私立でも野球部を持っている学校はあるりますが、入学してくる生徒が異なります。
- 公立の学校:様々な背景の生徒でチームが構成される
その地域の生徒がランダムに入学する。
野球初心者や、勉強も野球も両方頑張りたい生徒など。 - 私立の学校:ハイレベルな生徒でチームが構成される
選抜選手を集めたり、すでに力を持っている生徒が「野球をやりたい」と言って入学することもある。
初心者だけど野球やってみたい、勉強と野球の両立をさせたい、といった「生徒の初めての挑戦を後押しできる」あるいは「イチから力を付けて試合に出ていく」といった部活の環境は、公立の学校の特徴の1つです。
そこに魅力を感じる、自分も一緒に頑張りたいという先生は、公立の学校で働くことが合っています。
過去に私立学校への転職を希望されて内定を出していた方も、「やっぱり部活がやりたいので‥」と言って公立学校に留まる選択をされたことがありました。
地域貢献ができる
私立の学校と比べると、公立の学校は地域との接点がたくさんあることが多いです。
たとえば、
- 農家の方にボランティア先生として来てもらう
- 学校行事に地域の方が手伝いに来てくれる
- 清掃活動のボランティア活動をさせてもらう
など、学校活動で地域とのつながりがあります。
こういった活動は、生徒の教育的意義はもちろんありますが、地域の方が子どもたちと交流するキッカケになったり、生徒の継続的な社会とのつながりができるという意味で、地域への貢献につながります。
また、その地域に住む生徒が多く入学してくる公立の学校では、教育を通じて子育て環境の改善に役立つといった側面でも、地域社会へ貢献することもできます。
卒業生がその地域で生活をしていることも多く、「地域に根付いた教育」というイメージですね。
異動がある/いろんな学校で働くチャンスがある
公立の学校では4~5年に1回くらいで異動があります。
異動がある公立で働くことでのメリットは、以下の通り。
- 一緒に働く人が定期的に変わるので、人間関係がリセットされる
- 学校ごとに文化や雰囲気が違うので、新しい環境で仕事ができる
- 価値観が違う環境で教員としての経験を積める
一方で私立だと基本的には異動がなく、同じ学校で働き続ける場合が多いです。
そのため人間関係は固定されるし、教育理念(学校の特色)も変わりません。
定期的に職場環境がリセットされ、新しい環境で仕事ができるのは、公立の学校の特徴の1つです。
人間関係が固定されるって、けっこう不安が大きいかも‥。良い人ばかりの職場だといいけど。
いろんな生徒に対応するスキルが上がる
繰り返しになりますが、公立の学校にはその地域の生徒が集まってきます。
ということは、本当にいろいろな生徒がランダムに集まってきます。
- 学力
- 得意なこと、苦手なこと
- 個性や性格
- 家庭環境(経済状況)
ほとんど共通点がなく、ただ同じ地域に同じ学齢として生まれた子たち、という生徒です。
その公立学校で働くことで、いろんな背景を持つ生徒への対応力が上がるので、教員としてのスキルがどんどん上がっていきます。
もちろん、対応が大変なこともありますが、それが教員の経験値となっていくのです。
一方で私立の学校は、ある程度共通点がある生徒層が入学してきます。
もちろん生徒の個性はそれぞれですが、学校理念への共感、学力や家庭環境、経済状況などについては一定の傾向を持つ生徒たちが集まりやすくなります。
ですので、公立の学校と比べると考え方や家庭環境などが似ている生徒が多い職場環境です。
いろんな生徒と関わることで、生徒対応力を挙げたい、幅広い生徒対応の経験値を上げたいという方は、公立学校の方が良いですね。
公務員という働き方ができる
公立学校の先生は「公務員」です。
つまり、とても安定している職業で、急に解雇されたり給与が減額されたりということはありません。
また売り上げや利益を追求しなくてもよいので、お金のことを考えずに働くことができます。
一方で私立の学校は「学校法人」ですので、考え方としては一般企業と同じです。
教員は学校に雇われ、仮に業績が悪くなれば解雇や減給もあり得ます。
福利厚生も学校によって内容が変わりますし、それこそ業績が悪くなれば、改悪される可能性もあります。
逆に、自分の仕事の結果が良ければ給与に反映されるし、学校の業績が良ければ、臨時ボーナスなどもあります。
また生徒募集に関する業務も多く、一人でも多くの生徒に入学してもらうための業務の優先順位が高いです。教育といいながら、営業のような仕事をすることもあります。
”公務員”という働き方は誰でもができるものではありません。公立の先生が転職を考えるときに、悩むポイントの1つですね。
>>私立学校の働き方との比較は、コチラも参考にしてください。
教員としての働き方に迷ったら【自己分析】
何となく公立学校の良さみたいなのが分かったけど‥結局私はどっちがいいのかな?どうやって考えたらいいんだろう?
そんな時は「自己分析」をして、自分の価値観を洗い出してみましょう!
自己分析をしてみる
ノートとペンを用意して、以下の質問に答えていってください。きっと教員としての理想の働き方が見えてくるはず!
- 今までの自分の経歴をすべて書き出してください。個人業務や担当業務、取得した資格など。
例)体育祭・卒業式の担当、新任教員の育成など - 今までの教員生活の中で、印象に残っている体験やエピソードを出してみましょう。その時、自分が取った行動や考えたこと、感情。
例)成績UPに悩んでいた生徒に対して、個別課題を出してテストに向けて一緒に取り組んだ - 1と2から、自分の強みや他の人にはない特徴を見つける
例)準備や段取りを行い、周りを巻き込んで動くことが得意、一人ひとりの現状や課題に寄り添った指導ができる - 今の職場のイヤなところと、理想の職場(働き方)を書き出します。
例)時間外労働、休日出勤がないところ、部活指導の担当をしなくても良いところ、もっと生徒一人ひとりに寄り添った教育ができるところ - 将来的な理想のスケジュールを考える
例)3年後までには、〇〇の資格を取っていたい。5年後までには、学年主任を任されるようになりたいなど
自己分析をすることで、自分が本当に大切にしたいと思っていることやどんな職場で働きたいと思っているのかが見えてきます。
それが今の職場で叶えられるのか、それとも別の学校に転職した方がいいのかを考えるキッカケになります!
>自己分析の詳しいやり方については、コチラの記事も参考にしてください▼
一人で悩むくらいなら人に相談しよう!
自己分析をしてみたけど、やっぱりいまいちピンと来ない‥というときは、人に相談するのがオススメです。
家族や友人に相談してもなぁ‥と思う方は、思い切って専門のエージェントに相談してみましょう!
KIMINARAではご自身の考えや理想を整理してくれ、一人ひとりに合ったエージェントを紹介してくれます。
誰にも相談できなくて困っている方はぜひ、活用してみてくださいね!
まとめ
今回は、転職どうしようかな‥と悩んでいる方に向けて、転職で後悔しないための【公立の学校でしかできないこと】をご紹介しました。
私立の学校人事として働いていると「やっぱり公立にします!」という方をたびたび見かけます。
学校教員という形では同じ仕事をしているように見える公立と私立の教員ですが、職場環境や対応する生徒層など、いろいろな違いがあります。
自分の理想の働き方や教育観に合わせて、理想の職場で働けるのがいいですよね!。
「そんなの知らなかった!」とならないように、悩んでいる先生たちの参考になれば嬉しいです。
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