転職しようと思ったら「自己分析大事!」って言われるけど‥そもそも自己分析ってどんなもの?どうやってやるの?
自己分析って、何で大事なの?これやったら転職成功しやすくなるの?
先生という仕事は嫌いじゃない、でもこのままでは働き続けられない‥と思って、いろいろ転職の準備する中で「自己分析」で悩んでいる先生方、いらっしゃいませんか?
実は、この自己分析から全ての転職活動がスタートすると言っても過言ではないくらい、転職活動において自己分析ってとっても大事なんです!
そんなこと言われても、簡単にできたら苦労しないよ‥という方のために、この記事では学校人事の経験を踏まえて、自己分析のやり方を丁寧にご紹介します。
~自己紹介~
私は教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
この記事を読むと‥
- 自己分析のやり方が分かり、実際に自己分析できる
- 自己分析を活かして、自分に自信を持って転職活動を進められる
- 自分に合う学校や職場が分かり、ミスマッチによる転職の失敗を防げる
転職活動の一番大切な部分ですので、ぜひ参考にしてご自身の自己分析もやってみてくださいね!
なぜ転職活動に自己分析が必要なの?
自己分析とは?
まず最初に自己分析とは、自分自身を客観的に見つめ直し、自己のことを理解することです。
転職活動をする際には、例えば
- 教員としてのキャリアを通じて得た自分のスキルや経験
- 自分が大切にしている価値観
- 今後の目標や将来のビジョン
などを整理することで、自分がどのような場面で活躍できるのか、どのような環境で仕事をすることが理想だと思っているのかを明確にすることが目的です。
「自己分析=自分のことを、よく知る」ということですね。
転職の場合は、自分がどんな考えや特徴を持っている人間なのか、そして仕事をするということを考えたときに、どんな環境で働くのがベストと考えるのか、を客観的に洗い出すことです。
自己分析ってなんで大事なの?どんなメリットがあるの?
自分のことだし、ある程度分かってると思うけど‥。自己分析なんて、そんなおおげさなことしなくても良くない?
きちんと自己分析をすることは、転職活動においてメリットがたくさんあります!
自分のことをよく知ることが、なぜ転職活動において必須なのかをご説明しますね!
転職活動における自己分析のメリットは以下の5つ。
- 自分という人間を言語化できる
自己分析をすることで、自分の新たな一面に気づけたり、新しい魅力を言語化できたりします。何となく「自分ってこういう人」と感じていることがあっても、それを言葉にするのは難しいです。考えを整理して客観的に自分を見つめることで、自分の魅力を言語化することができます。 - 自己PRに使える
自己分析を通じて得た自己理解は、転職活動中のアピール材料となります。自分の経験や強み、価値観を具体的に伝えることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。 - 自分に合った学校が分かる
自己分析を行うことで、自分に合った学校や職場環境がどんなところかが分かります。公立と私立では教育方針や運営方針異なり、また私立学校の中でも自分の考えに合う学校と合わない学校があります。自己分析を行うことで、自分が働きやすいと感じる学校が分かるようになるので、入職後に「こんなはずじゃなかった‥」というミスマッチを減らすことができます - キャリアプラン(今後の目標)の明確化
自己分析を行うことで、今後自分は働くことを通してどうなっていきたいのか、というキャリアプランも考えることができます。長期的な目標設定をすることで、毎日同じ「働く」でも、充実した教員ライフに一歩近づくことができます。 - 「本当に転職すべきなのか」を冷静に考えることができる
自己分析をすることで、自分が本当に大切にしていることが分かります。そして「その大切なものを実現するためには、本当に転職するのがベストな選択肢なのか?」も考えることができます。
公立教員から転職することは、今までのキャリアや公務員という社会的立場を手放すことになります。自分が大切にしていることは、公立教員でもできるかもしれない、と思えば、あえて踏みとどまる選択をするのも1つだと思います。
毎日の生活の中で「仕事」が占める割合はとても大きいですよね。
自己分析をすることで、自分が仕事に何を求めているのかも分かるようになります。
その”大事な部分”を明確にすることで、転職活動を成功させ、自分らしく先生として仕事をし、プライベートも充実させることができるのです。
ちなみに面接をしていても、自己分析をきちんとされている方は、質問に対する回答が明確で自信を持ってお話しされる印象がありますよ!
自己分析のやり方5ステップ
では、実際に自己分析を行うステップを具体的にご紹介します!ぜひ一緒にやってみてください。
手順は以下の通りです。
- 自分の経験の棚卸、整理をする
- 自己評価をする
- 価値観の確認
- キャリアゴールの設定
- 自己分析を繰り返す
それでは、具体的に1つずつ見ていきましょう!
1. 自分の経験の棚卸、整理をする
まずは、自分の過去の経験やスキルを洗い出します。
次のことをできるだけたくさん、紙に書き出してみてください。
難しいなと感じる方は「あなたは今まで教員として働く中で、どんな経験をしてきましたか?それは具体的にはどんなことですか?」という質問に答えながら、考えてみてください。
- 職務経験(今まで仕事として取り組んできたこと)
公立学校での教員経験を具体的に書き出します。
担当した学年やクラス、特に力を入れた学校行事や生徒との関わり、印象的な出来事があったときの自分の感情などを書き出します。 - スキルや得意なこと
教育現場で培ったスキルや、他の人よりもちょっと上手にできることを書き出します。
例えば、生徒指導力や分かりやすい授業ができる力、保護者とのコミュニケーション能力など。
「先生のおかげで英語の点数が伸びた!」など生徒に言われて嬉しかったことや、同僚に褒められた経験のあることでもいいですね。 - 資格や研修
保有している教員資格や検定資格、これまでに受けた研修やセミナーの内容などをまとめます。
例えば、中学校英語免許、TOEIC650、英検準1級、ICT教育に関する研修、コミュニケーション講座参加、など。
教育と関係ないような資格や講座なども、ひとまず書き出してみましょう(整理整頓術、料理教室など)
この切り口で、まずは自分の特徴をどんどんと書き出してみます。
考えても出てこない‥というときは、時系列で思い出して書いてみましょう。
例えば1日のルーティン、1週間、1か月、1年の区切りで、印象に残っていることや経験を見直すのもオススメです。
2. 自己評価をする
自分の特徴を一通り書き出したら、次は自分自身を評価します。
これは、上記の棚卸しで洗い出した項目をもとに、自分の「強み」と「弱み」を分けていく作業です。
それぞれ、具体的なエピソードも一緒に添えられるとなお良いです。
難しいなと思う方は「あなたのスキルや経験の中で、他の人にアピールきることを具体的に教えてください。また、今後よりよく改善したいと思っているところも教えてください」という質問に答えながら、考えてみてくださいね!
強み
自分が得意とすること、他の教員と比べて得意だなと思っている点をまとめます。
これには、自分自身の得意分野や成功体験が該当します。
例えば「生徒とのコミュニケーションが得意。いつも自分のクラスは、クラス全員が積極的に参加できるような雰囲気があるよねって褒められるな~。」「先生の授業はおもしろいから好き!って生徒が言ってくれるな~。」などです。
弱み(苦手なところ)
改善が必要な点や、自分が苦手としていることを明確にします。
これは、今後のキャリアにおいて克服すべき課題となります。
例えば「時間管理はちょっと苦手。楽しくて授業準備に時間がかかりすぎるんだよね‥。今は、制限時間を設定して、計画的に進めるようにはしてるけど。」など。
苦手なことも正直に挙げ、それをどう改善しようと取り組んでいるのかも考えます。
就職や転職活動で大切なのは、自分が課題だと思っていることに対してどう取り組んでいるかを伝えられることです!「自分は苦手なところはありません!」と言う方ほど、人事は信用しません‥。
3. 価値観の確認
次に、自分の教育に対する価値観や信念、そしてそれを実現できる職場環境のイメージを書き出します。
これには、教育に対する姿勢や理想とする教育環境、生徒たちとの関わり方などが含まれます。
自分の理想の教育がどんなものか、そしてなぜそう考えるのかを具体的に書き出してみましょう。
教育に対する価値観
自分が信じる教育の在り方や、どのような教育を提供したいか、なぜそう考えるのかを書き出します。
例えば「学生時代、授業ペースについていけなくなっていた時に、担任の先生が個別に話を聞いてくれ、サポートしてくれ、自信を持ち直すことができた。その経験から生徒一人ひとりの個性を尊重する教育方針を大切にしたいと思っている。個別の指導を通じて、生徒が自分のペースで成長できるように支援したい」など。
自分が大事にしている教育観と、そう考えるようになった背景を言葉にします。
職場環境の理想
自分が教員として働くときに、理想とする職場の雰囲気や文化をイメージして書き出します。
自分の教育理念を実現しやすい環境でもいいですし、働きやすいと感じるポイントでも大丈夫です。
例えば「理想とする職場は、教員同士が協力し合える環境。定期的なミーティングや研修があり、お互いのスキルを高め合える職場で働きたい」など。
いくら自分の実現したい教育方針と働く学校の教育理念が合っていたとしても、毎日残業、土日も仕事、人間関係最悪‥みたいな職場環境では、自分の身が持たないですよね‥。
ちなみに、教育に対する価値観、またどんな風に仕事をしていきたいのか、は採用選考でも必ず確認します。学校の方針や職場とのマッチングを考えたときに、一番ズレがあると(学校側も働く側も)困る部分ですね。
4. キャリアゴールの設定
最後に、自分の将来を考え、長期的なキャリアゴールについて考えてみます。
これには、
- 将来どのようなスキルを身につけたいか
- どんなポジションに就きたいか
- どのような役割を担いたいか
など、教員として働く中で今後こんな風になれたらいいな、ということを書き出してみましょう。
短期目標
今後、1〜3年以内に達成したい目標を設定します。
例えば「1〜2年以内には、私立学校の教育方針に慣れ、新しい授業スタイルを身につけたい。また、同僚の先生方や生徒との信頼関係を築き、部活動の指導にも積極的に関わりたい」など。
やりたいこと、〇〇だといいなというワクワクすることを書き出しましょう。
長期目標
さらにその先、5〜10年後に目指すキャリア像を考えてみます。
例えば「10年後には、学年主任や教科主任、あるいはバックオフィス(広報や人事、経理など)の担当として学校運営に携わりたい。さらに、自分の専門分野である英語教育を発展させ、他の教員への指導も行いたい」など。
仕事を通してどんな人生にしたいのか、壮大なテーマに聞こえますが、自分がこんな人になりたいなーというのを気楽に考えてみてください。
5. 自己分析を繰り返す
自己分析‥やってみたけど、言葉にしようと思っても全然出てこなかった‥。
大丈夫です、1回でカンペキに自己分析をするのは難しくて当然です。
1~4のステップを繰り返して、少しずつ言葉を足していき、それをまとめていくことも必要です。
繰り返し自己分析を行うことで、自分のことをより深く理解していくことができますよ!
自己分析したあとに、やっておきたいこと
おつかれさまでした。一通り、自己分析ができましたか。自分の価値観や考え方、強みや苦手なこと、将来どのように働きたいのかなどが洗い出せたと思います。
さて、自己分析をした後にもう一歩、やっておきたいことがあります。
それは、自己分析を採用者目線で捉え直すこと。
転職活動する中で、採用担当が本当に知りたいのは「あなたを採用することは、自分の学校にとってどんなメリットがあるのか」です。
ですので、自己分析した内容を採用者目線で考え直し
- 自分は何ができる人なのか
- 自分は何を得意としている人なのか
- 御校にとって自分を採用するメリットは何なのか
と言い換えて表現していく必要があります。
同じ「自分」という人間でも、求められている内容によっては引き出す場所、アピールする場所が変わってきます。
応募先の学校情報をしっかりと見て、自分の特徴をその学校に合わせて言語化してみましょう。
>>私立学校の選び方については、こちらの記事を参考にしてください▼
自己分析の効果的な活用方法【合格率を上げるためには】
自己分析はよりよく働く環境を実現させるために行うものですので、より有効的に活用したいですよね。
ここでは学校人事経験を踏まえて、「採用担当者に好印象を与える自己分析の活用方法」をご紹介します!
明確な志望動機
自己分析を通じて、自分がなぜ私立学校に転職したいと考えるようになったのか、その理由を明確にしておきます。
公立学校での経験をどのように活かし、私立学校でどのように貢献できるかを具体的に示すことも大切です。
具体的なエピソード
自己分析で出てきた自分の強みや自分だけの経験に「自分ならではの具体的なエピソード」も添えることで、面接時のアピールに説得力が増します。
成功体験:
公立学校での教員経験の中で成功した事例や、困難を乗り越えた経験を具体的に説明します。エピソードを追加することで、より具体的にイメージしてもらいやすくなります。
改善の取り組み:
自分が苦手としていたことに対してどのように取り組み、克服し、改善してきたかを伝えるときにも、エピソードを添えると良いです。
私立学校への適応力
私立学校特有の教育方針や運営スタイルにどのように適応できるかを自己分析で出てきたワードでまとめます。
自己分析で明確になった自分の価値観や教育方針と、私立学校の教育方針がにどのように合致するかを明確にすることが重要です。
継続的な学習意欲、向上心
教育者としての継続的な学習意欲を持っている人や、向上心がある人は生徒にも良い影響があるとして、評価が高くなります。
自己分析で考えた今後の目標と照らし合わせながら、新しい教育手法やスキルの習得に積極的であることをまとめます。
今は求められるスキルが100%なかったとしても、今後に期待できるとして採用になる可能性が高くなります。
自己分析をした結果をもとに、自分という人間が学校にとってどれくらい貢献できそうか(=採用するメリット)を明確に伝えてください。
採用担当が「この人は学校の教育方針や求める人材像に合わないな」と思えば、お互いのために不採用にしよう、という判断になります。
それでも自己分析が難しい‥という方のために
「それでもやっぱり自己分析が難しい‥」と感じる方へ、学校の人事担当者からのアドバイスを3つお伝えします。
自己分析は確かに大変な作業ですが、これから紹介するポイントを参考にすれば、少しずつ自分のことを深く理解できるようになるはずです!
1. 周りの人の意見を参考にする
自分だけで自己分析を行うのは難しいこともあります。そこで、周りの人の意見を聞いてみましょう。
例えば、同僚や上司。あなたの仕事ぶりをよく知っている周りの人に、自分の強みや改善点について意見をもらいましょう。
あるいは家族や友人にも、自分の特徴や魅力について聞いてみてください。
「〇〇さんはいつも笑顔で機嫌がいいよね!」「〇〇さんのクラスは本当にピッタリと時間通りに動けるよね!」などなど、自分では普通だなと思っていることが、意外に強みだったりします。
第三者の視点から見ることで、自分では気づかない強みや弱みが見えてきますよ!
2. 自己分析ツールを活用する
自己分析を助けるためのツールや診断があるので、活用してみましょう。
これらを活用することで、客観的な視点から自分を分析することができます。
例えば、「性格診断テスト」などは自分の性格や特徴を教えてくれるので、おもしろいです。
「キャリアアンカー診断」というものもあり、自分がどのようなキャリアパスに適しているかを知ることができ、自己の価値観や職業選択の基準を明確にできます。
3. 実績を数字で考えてみる
自己分析が難しい理由の一つは、自分の経験やスキルを具体的に言葉にすることが難しいからです。
そこで、自分の実績を数値化してみると、具体的に見えてくることもあります。
例えば、授業の成果をデータで振り返ってみましょう。
「英語のスピーキングテストでクラスの平均点を20%向上させた」「担当クラスの英検合格率を3年間で10%上げた」など、具体的な期間やパーセンテージなどの数字で表すと、客観的に強みをアピールすることができます。
あるいは、学校行事などでも「スピーチコンテストの企画で生徒の参加率を前年より45%向上させた」など、自分が関わった企画の成果も数字で出してみましょう。
実際、少し情報が少ないなと感じたときには「〇〇さんについて、周りの方には何と言われることが多いですか?」「平均点が上がったと言われましたが、何ポイントくらいあがったのですか?」と面接時に質問させていただくこともありますよ。
エージェントに相談するのもアリ!
学校の先生はただでさえ毎日忙しく過ごしているのに、自己分析なんて時間もないし、分からない><という方は、転職エージェントに相談するのもオススメです。
どんなエージェントがいいの?エージェント探すのも大変だ‥という方には、自分に合ったエージェントを紹介してくれるサービスを使ってみましょう!
KIMINARAでは、ご自身の考えや理想を整理してくれ、一人ひとりに合ったエージェントを紹介してくれます。
「転職するって決めてないし‥」という方でも、すこし話をするだけで頭の中が整理されますので、ぜひ活用してみてください!
まとめ
今回は「自己分析のやり方5ステップ」をご紹介しました。
また、自己分析で出てきた情報を面接で効率的に活用する方法もぜひ参考にしてください!
公立の先生が私立への転職を目指すときの自己分析は、自分の経験やスキルを整理し、強みや価値観を明確にすることが大切です。
自己分析を行うことで、自分に合った職場を見つけ、面接での自己アピールを効果的に行うことができ、また、ミスマッチを減らすことにもつながるので、安心して長く働く職場が見つかるキッカケにもなります。
自己分析を有効的に行い、自分らしく教員として働く理想の生活に、一歩近づけるように応援しています!
参考にしていただけると嬉しいです!
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