私立学校への転職を考えているんだけど、書類選考を通過しやすい履歴書ってどうやって書いたらいいの?
仕事が忙しすぎて、転職活動に割ける時間が少ない‥。効率的に、履歴書を準備したい!
転職を考えている公立学校の先生方、履歴書、うまく書けていますか?まだ転職はこれからだけど、履歴書ってどうやって書くのか‥と気にされている方もいらっしゃるかもしれません。
面接対策ばかりに気を取られがちですが、書類選考を突破しないことには、面接にたどり着けないので、実は書類選考ってとっても大切。
実は、書類選考の合格率って「30~50%」程度しかないとも言われているんです!
でも逆に言えば、書類選考は対面で話す必要がないので、十分な対策を取れば通過率を高めることもできます!
ということで今回は、書類選考の合格率をUPさせられるような履歴書の書き方を、人事担当者の経験を基にご紹介していきます。
~自己紹介~
私は教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
この記事を読むと、こんなメリットがあります。
- 書類選考を通過できる履歴書が書けるようになる
- ポイントを押さえることで、効率的に書類の準備ができる
- 人事担当者が履歴書を見るポイントが分かる
ぜひ参考にしていただいて、一緒に準備していきましょう!
転職活動における「書類選考」の役割
最低限のマッチングを確認するための書類選考
そもそも、書類選考って何のためにあるのでしょう?
特に初めて転職を考えている方だったら「提出してください、と言われるから提出しなきゃ」と思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、書類選考はとても重要な役割があり、採用担当者はたくさんの応募者の中から最適な教員を見つけるために、書類を精査していきます。
【人事にとっての、書類選考の役割】
- 第一印象を作る
提出書類は、応募者の第一印象を決定するとても大切な資料です。書類選考で良い印象を持つことができれば「この人会ってみたい」と面接へ進む可能性を高めることができます。 - 適性とマッチングの確認
書類を通じて、応募者の学歴や職歴、スキルが求人条件にあっているかを確認します。また、学校の教育理念や方針にどれだけ共感し、適応できそうかも見極めます。 - 応募者の整理
書類選考は、多くの応募者から絞り込むための初めの段階です。効率的に、適切な教員を選び出すためのフィルタリングとしても機能します。 - 応募者の意欲を測る
書類の内容や書き方から、応募者の熱意や意欲を感じ取ることができます。特に志望動機や自己PRは、その人がどれだけ真剣に転職を考えているかが伝わってきます。
私が勤務していた学校では、基本的に直接会ってみないと分からない、人物重視のスタンスだったので、書類選考で不採用通知を出すことは少なかったです。
それでも、明らかに「うちの学校じゃないよね‥」とマッチングしない方であれば、お互いに時間の無駄になるので、不合格通知を出すこともありました。かなり時間をかけて書類には目を通していました。
「履歴書」と「職務経歴書」の違い
転職するときに提出が求められる書類には「履歴書」と「職務経歴書」があります。
簡単に違いを説明すると、
- 履歴書 → 学歴や職歴、資格などのその人の基本情報
- 職務経歴書 → 今までの仕事を通じての実績や成果などをまとめた書類
です。この記事では「履歴書」について、詳しくお話していきます。
>>「職務経歴書」についてはコチラの記事を参考にしてください▼
履歴書とは基本情報を伝える書類
履歴書は、応募者の基本情報や学歴、職歴、資格などを伝えるための書類です。
つまり、履歴書を通して採用担当に「今までの人生でどんなことをしてきたか、どんな人物なのか」のイメージを採用担当に持ってもらいます。
採用担当者にとっては、応募者を理解し、適性を判断するための【一番最初の資料】となります。
履歴書には、基本情報として以下の情報を入れましょう。
- 個人情報:名前、住所、電話番号、メールアドレス
- 学歴:最終学歴から順に学校名、学部・学科、卒業年月
- 職歴:勤務先の名称、期間、担当業務
- 資格・免許:取得している資格や免許の種類、取得年月
- その他のスキル・特技:ITスキル、語学力、その他の特技
履歴書は、応募者の第一印象を決めるとても大切な資料です。見やすく整った形で、正確かつ的確に情報を伝えることがポイントです!
履歴書の書き方【私立への転職】
それでは、実際に書いてみましょう!
1.基本情報の書き方
①日付
郵送の場合は投函日、面接で手渡しをする場合は渡す当日の日付を記入します。履歴書全体で、元号または西暦で統一することもお忘れなく。
②写真
サイズは履歴書に記載されているサイズに合わせます(一般的4×3cm)。また、はがれることも想定して、写真の裏に氏名を書いておきましょう。両面テープを使って貼るとはがれにくいですよ。
写真は第一印象を決める大切なものなので、プロに撮ってもらうこともオススメです!
③住所
都道府県から書き、略さずにマンション名まで書きます。「丁目、番、号」などを使って、丁寧に書いていきましょう。
④メールアドレス
学校とのやり取りではメールを使うことも多いです。資料の添付などもあるので、携帯電話のアドレスではなく、パソコンのアドレスを記入します。Gmailなど、スマホで見られるアプリを使うと便利です。
採用担当として地味に困るのが、電話番号やメールアドレスの間違い。
こちらとしては連絡を取りたいのに、取れなくて不採用(というか連絡手段がない)となるのはとてももったいないと思います。
2. 学歴・職歴の書き方
公立学校での勤務のみの場合
①学歴
学校名は正式名称を書きましょう。
また、「入学・卒業」などの書き始めを揃えます。
②職歴
公立学校の場合は「●●県教育委員会」で統一してしまった方が、見やすいです。(詳細の学校名は職務経歴書に記載します)
「任用・任期満了・採用」などの書き始めを揃えます。※入学/卒業とはずれてもOK。
③「現在に至る」は左寄せ
④「以上」は右寄せ
私立学校勤務経験がある方の場合
私立学校での職歴がある方は、以下のように書きます。
①学校名、勤務形態
学校名は省略せずに正式名称で書きます。
また講師として勤務していた場合「非常勤講師」か「常勤講師」かのどちらかを記入します。
②私立学校の場合は「採用」「契約期間満了」「退職」の言葉を使います。
同じく書き始めは揃えましょう。
③正職員として働いていた場合は「専任教員」と記入します。
④専任教員の場合は「採用」と記載。
3. 資格・免許の書き方
①正式名称で書きましょう。
また、運転免許を持っている場合は、一番最初に記載します。
教育関係での転職の場合であれば、教育に関わる資格だけを書きましょう。趣味などで取った資格を書きたくなる気持ちは分かりますが、履歴書には必要ありません。
4. 志望動機、特技など/本人希望記入欄
①志望の動機、特技、自己PR、アピールポイントなど
この部分は「自分を採用すると、学校にとってこんなにいいことありますよ」というのが伝わる内容を、簡潔に書きます。
志望動機であれば、なぜ他の学校ではなくこの学校なのか、特技をどう仕事に活かせるか、自己PRでは長所や自分の強みを伝えてください。
>>具体的な志望動機の書き方はコチラを参考にしてください▼
>>具体的な自己PRの作り方はコチラを参考にしてください▼
②本人希望記入欄
ここには基本的に「御校の規定に従います」と記載します。
希望を伝える欄ではありますが、場合によっては悪印象を与える場合もあります。
健康上の都合や家庭の事情など、やむを得ない場合で、先に採用担当に知っておいてもらいたいということがあれば記載します。
細かい希望がある場合は、面接時に直接伝える方がよいです。それは言葉のニュアンスや文脈などで、より伝わりやすく希望を伝えることができるからです。
履歴書を書いた後にすること
履歴書が書けたら、提出前に必ずチェックをしましょう!家族や友人などの第三者に見てもらうのも効果的ですね。
【チェックポイント】
- 正確な情報が書かれているか
- 誤字脱字がないか(学校名や資格の名前)
- 文体が統一されているか(ですます/である)
- 意味の分からない単語がないか
同じ教育業界で働いていても、1つの学校の中だけでしか通用しない言葉もあります。採用担当者に、「ん?ナニコレ?」と読みづらさを感じさせる履歴書は悪印象になってしまいますので、要注意!
履歴書の見られているポイント【人事が教える】
最後に、履歴書で採用担当がどこをどんなふうに見ているのか、をこっそり教えます!
ここを押さえておけば、書類選考の合格率が上がる履歴書が書けますよ!
- 学校の教育理念との一致
学校によって特色のある私立学校にとって、その教育理念に対する応募者の考えがとても重要です。ミスマッチを起こさないように、学校理念に対してどう考えているのかは注視します。 - 教育に対する情熱と意欲
私立学校といえど、仕事する中で大変だと思う場面は出てきます。ただ子どもが好きだから、ただ先生という仕事が好きだから、という理由ではなく、教育に対する熱い気持ちを持っている方かどうかを確認します。 - 学歴や職歴の一貫性、ユニークさ
学歴や職歴から、その方が今までどんなことに興味を持って学業や仕事に取り組んできているのかをイメージします。例えば、引っ越しを重ねている方なら、フットワーク軽く動ける方かな?というように、今までの経歴からその方のイメージを作っていく感じです。 - コミュニケーション能力
履歴書の書き方から、文章力や論理的思考力、読者のことを考えた情報提示など、コミュニケーション力が見えてきます。文書作成や生徒保護者との関わりが多い学校現場では、そういったところも実は見ています。
どうせ「履歴書なんて見られてないんでしょ?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、意外にたくさんのことを採用担当は見ています。丁寧に、読む人のことを考えて完成させましょう。
よくある質問
最後に、履歴書作成に関してよくあるご質問とその回答をご紹介します!
1.パソコンで書いた方がいいですか、手書きがいいですか?
指定がある場合はその指定の書き方に従います。
特に指定がない場合は、どちらでも構いませんが、パソコンを用いた方が見やすく読みやすい書面になります。
2.文章をAIに考えてもらうのはアリですか?
正直、AIを使っているかどうかは読んでいて分かりません。
が、AIに考えてもらった文章をそのまま書類に記載することはやめておいた方が無難です。
というのも、「この文章、何となく整いすぎてて違和感がある‥」というのは感じることがありますし、履歴書の雰囲気と面接で直接会った時の雰囲気が全く違って「あんなにきれいな文章を書く人なのに‥?」と不信感を持ったこともあります。
AIに考えてもらった文章を基に、言い回しを少し直したり、自分が普段から使う単語に直したりして書類に記載するのがオススメです。
3.履歴書で目立たせるべきポイントは何ですか?
一番目立たせるのは「自分の強み」です。
特に転職では即戦力になることが求められますので、応募する学校の教育理念や特色に合わせて自分がどのように貢献できるかを具体的に記載すると良いでしょう。
4.履歴書のフォーマットや見栄えはどうしたらいいですか?
履歴書は、基本的な情報を相手に分かりやすく伝えることが一番大切です。
読みやすく整理されたレイアウト(勤務歴のある学校名などの統一された情報は、同じ形式で書くなど)を心がけ、装飾も不要です。
私立学校への転職の場合は学校の先生としてのコミュニケーション能力も見られますので、正確性や内容の一貫性に注意しましょう。
5.学歴や資格にアピールできるところがない‥
学歴や資格でアピールできるところがありません、という場合でも、今までの現場での経験やスキルを目立たせてアピールしましょう。
あるいは、今後のキャリアアップのために勉強していきたいと思っているスキルや、これまでの経験から学んだことを示すことで、向上心や成長意欲も伝えることができます。
履歴書はテンプレートも決まっているので、意外に書ける文量が少ないです。履歴書にはアピールポイント1つを書いて、残りは職務経歴書に書くといったように、情報にメリハリを持たせるのがオススメです!
それでも難しい‥という方へ
何となく書き方は分かったけど、本当にこれで合っているのか分からない‥、誰かにチェックしてほしいけどそんなのお願いできる人がいない‥という方は、エージェントを使ってみるのもオススメです!
転職エージェントは、希望の転職条件に合った仕事を探してくれるだけでなく、書類のチェックや面接対策までしてくれるところもありますので、転職したい方の強い味方。
最近では転職エージェントがたくさん出てきているので、エージェントを選ぶのも大変!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、KIMINARAでは、ご自身の考えや理想を整理してくれ、一人ひとりに合ったエージェントを紹介してくれます。
「転職するって決めてないし‥」という方でも、すこし話をするだけで頭の中が整理されますので、ぜひ活用してみてください!
まとめ
今回は、私立学校への転職を考えている教員のための「履歴書の書き方」を説明しました。
書類選考が通過しないことには、面接にもたどり着けません。
履歴書なんて、と考えずに、自分のことを知ってもらうための大切な情報として、丁寧に作っていきましょう。
難しいと感じる方もいるかもしれませんが、しっかりと書類の準備をすれば、必ず面接へとつながりますよ!
自分らしく教員として働く理想の日々を手に入れるために、参考になれば嬉しいです!
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