学校の先生という仕事は好きなんだけど、この仕事をずっと続けていくのは現実的じゃない‥。こんなに残業していたら、結婚したり子育てする時間が全く取れなくない?
長く働いていくことを考えると、生活スタイルが変わったときに教員の仕事って続けられないんじゃ‥。転職するなら早い方がいいのかな。
公立学校で働いている女性教員のみなさま、「教員という仕事のやりがいはあるけど、今後結婚とか子育てとか考えた時に、このまま教員を続けるのは不安」とお悩みではないですか?
業務量が多く、残業も多い、土日も満足に休めないという教員の仕事は、結婚して子育てをしたいと思っている女性教員にとっては不安が大きくて当たり前です。
そこで今回は、女性教員ならではの転職のお悩みと、女性教員にオススメの転職先5選を学校人事の経験を活かしてご紹介します。
~自己紹介~
私は教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
この記事を読むと
- 女性教員のあなたにオススメの転職先が分かります
- 転職するときにあなたのスキルをアピールする方法が分かります
- 漠然とした将来の不安が消えて、ライフワークバランスを考えて仕事ができるようになります
「子どもが好き」「先生という仕事が好き」という気持ちを持ちつつも、自分の生活とのバランスも考える、そんなキッカケになれば幸いです。
女性教員が「教員をやめたいと思うとき」
まず最初に、女性が教員として働きづらいと感じる理由をご紹介します。
みなさんもこんなお悩みを抱えていませんか。
- 労働時間や残業が長くて、プライベートの時間が取れない
- 教える以外の業務が多くて、やりたいことと違うことに時間が取られる
- 生徒、保護者、同僚との人間関係に悩んでいる
- キャリアアップが見込める気配がない
- 将来的な家庭と仕事の両立に不安がある
ただでさえ不安が多い結婚生活や育児。仕事面では少しでも安心できる環境が整っている方が良いと感じるのは普通のことですね。
女性教員にオススメの転職先5選
それでは女性教員にオススメの転職先を5つ、ご紹介していきます!
オススメの転職先は以下の通り。
- 私立学校の教員
- 専門学校の教員
- 教育コンサルタント
- 教育関連の出版社、コンテンツ制作会社
- 営業職
それでは1つずつ、具体的に見ていきましょう。
オススメ1. 私立学校の教員
「教員という仕事は好き(でも労働環境的に続けられない)」「子どもたちの成長に寄り添えるのがやりがい」という方にオススメなのが、私立学校の教員です。
【私立学校で働くメリット】
- 各学校独自の教育理念や教育方針があるので、自分の教育観に合う学校を選んで働ける
- 教員の離職を防ぐための取り組みも積極的に行っているので、労働環境が公立よりも良いことが多い(残業なし、ICTのチカラで効率的な業務を行うなど)
- 業務分担が明確で、自分のやるべき仕事に集中でき、また仕事の結果が評価に直結しやすい
- 広報やマーケティング、人事などの教員以外の経験を積むこともできる(その後、教育業界以外への転職にも強い)
【私立学校で働くデメリット】
- 生徒の授業料で経営を成り立たせているため、生徒募集や営業のような業務の担当になることがある
- 売上や経費、利益やコストなど、お金のことを考えて教育活動をしないといけない
教員としてのやりがいはそのままで、働く環境が良くなりそうなのは、確かに魅力的。
私立学校の人事担当としては、公立学校での教員経験がある方は「即戦力」としてとてもありがたい存在です!
オススメ2. 専門学校の教員
「授業が好き」「教えることが好き」という方には、専門的な知識やスキルを身につけるために学生が通う専門学校で、教員として働くのもオススメです。
専門学校では、英語などの語学分野、アニメや絵画などの芸術分野、作詞作曲・楽器演奏などの音楽分野、保育や児童指導員などの教育分野、調理や栄養などの家庭科の分野など、様々な分野に特化した学校で、自分の教員としての専門分野を活かして教員として働くことができます。
【専門学校で働くメリット】
- 特定のスキルや知識を深く教えることが求められるので、自分の専門分野を活かしやすい
- 授業担当がメインの仕事になるため、教えることに集中しやすい
- 生徒対応や保護者対応など、授業以外の業務は担当しなくてよく、残業で帰りが遅くなるということもない
【専門学校で働くデメリット】
- 高校卒業後の生徒や社会人が通ってくることが多く、教える対象が大人なので、子どもたちの成長に寄り添いたいという方には合わない
- 職業に直結した教育を提供することが大切なため、カリキュラムが固定されている場合が多く、柔軟な授業の工夫などができない
- 給与や待遇は学校によって異なる。公立学校と比較すると給与が低い場合もある
自分の専門分野をより深く勉強したい、という方にもオススメですね。
オススメ3. 教育コンサルタント
「生徒のためにこんな教育をしたい」「こんな教育をカタチにしたい」と、理想の教育観をお持ちの先生にオススメなのが、教育コンサルタントとしての仕事です。
教育コンサルタントとは、教育に関する専門的なアドバイスやサポートをする仕事。対象は教育機関(各種学校)、企業、政府機関などで、教育に関する様々な課題を解決するためにアドバイスを行います。
例えば、教育プログラムの開発や改善、学校運営のサポートなどです。
【教育コンサルタントとして働くメリット】
- 公立学校の実際の現場で働いていた経験を基に、アドバイスができる強みがある
- フリーランスやリモートワークなど、ライフワークバランスを考えた働き方がしやすい
- 学校や企業を相手にするので、間接的に影響力が大きくやりがいが得やすい
【教育コンサルタントとして働くデメリット】
- 仕事相手が大人なので、生徒や子どもたちと関わりたいという方には合わない
- アドバイスや提案を行ってから、学校現場が変わるまでは時間がかかるため、成果が見えにくい。また実績を作るのにも時間がかかる
- フリーランスとして活動することが多く、実績を作るまでは安定した収入を得るのは難しい
働く時間や場所に縛られずに、自分のペースで働くことができるのは魅力的。長期的な目標にするのもありかも。
オススメ4. 教材作成や学習コンテンツ制作(出版社など)
「授業を教えることが好き」「生徒の”わかった”という声を聴くのが好き」という先生にオススメなのが、教材を作ったり学習コンテンツを作ったりする仕事です。
出版社で紙の参考書を作ったり、最近ではアプリやオンラインコンテンツを作っている企業もあります。
【教材・学習コンテンツ制作に関わる仕事のメリット】
- 「こんな教材があったらよかったな」と、現場経験を活かした教材開発ができる
- 自分が携わった教材を多くの教員・生徒が使ってくれるというやりがいがある
- フレックスタイム制やリモートワークを取り入れている企業が多く、柔軟な働き方がしやすい
フレックスタイム制とは
フレックスタイム制とは、決められたの労働時間の中で、働く人が日々の始業・終業時刻や労働時間を自由に決めることができる制度のこと。「コアタイム」と呼ばれる、全員がそろって仕事をする時間を設けているところもあります。
例えば、朝は子どもを保育園へ送るために9:30までに出勤、10:00~14:00のコアタイムがあって、その後お迎えは旦那さんがしてくれるので、18:30に退勤。また別の日には8:00に出勤して17:00に退勤、といった形で家庭の状況に合わせて、勤務時間を変更できるのが魅力。
【教材・学習コンテンツ制作に関わる仕事のデメリット】
- 仕事相手は大人で、子どもや生徒たちと関わることが少ない
- 編集スキルや制作の知識など、1から勉強しないといけないことがある
自分が教員だったときに、授業案やワークなどで工夫していたことがコンテンツとして世の中に出ていくのは、とてもやりがいになりますね。
オススメ5. 学校事務
「やっぱり学校で働きたい」「生徒たちの近くで過ごしたい」という先生にオススメなのは、正規の教員としてではなく、学校での事務担当として働くことです。
【学校事務として働くことのメリット】
- 決められた仕事を時間内に進めることが求められる仕事のため、残業が少なく定時で退社できる
- 学校教員としての勤務経験が活かせる
- 学校での勤務のため、長期的な雇用が期待でき、安定した職場で働きやすい
【学校事務として働くことのデメリット】
- 日常的な事務作業や、ルーティンワークが多くなるため業務内容が単調になりがち
- 採用人数が少なく、求人を見つけるのが難しい。また給与が低い場合もある。
- 入試や学期末、年度末などの繁忙期は事務担当とは言え、忙しく残業が発生することもある
学校事務だけでなく、ICT支援員やスクールカウンセラーなど専門的な役割を担って学校で働くという役割もあります。
女性教員にオススメの転職先3選【番外編】
教員として働き続けることに限界を感じている、将来のキャリアアップが見えない、仕事と家庭の両立が不安‥という方に、さらに3つオススメの転職先を紹介します。
少し条件はあるけれど、その条件さえクリアできればより魅力的な転職先になるはずです!
【条件が合えば】女性教員にオススメの転職先3選
- 塾講師
- 非常勤講師
- 営業職
それぞれ具体的に見ていきましょう。
番外編1. 塾講師
「先生と呼ばれたい」「子どもたちと直接関わって仕事したい」という方には、塾講師もオススメです。
【塾講師として働くことのメリット】
- 自分の専門知識を使って授業を教えることができる
- 授業をすること、生徒の学習面の成績を上げることだけに集中して取り組める
【塾講師として働くことのデメリット】
- 勤務時間が遅くなる(定時が13:00~22:00など)
- 教室長などの運営責任者になると、学生アルバイトの管理や会議などやるべきことが増えて、残業が発生しがち
授業担当として、決められた時間だけの勤務や週3日勤務する、などと決めてしまえば、自分のプライベートを優先させて仕事ができそう。
番外編2. 非常勤講師
「やっぱり学校で働きたい」「授業で教えることが好き」という方には、非常勤講師として学校で働くこともオススメです。
【非常勤講師として働くことのメリット】
- 担当する業務(授業実施や部活指導など)だけに集中することができる
- 定時で帰れて、残業になることは少ない
【非常勤講師として働くことのデメリット】
- 収入が安定しない場合がある
- 1年後に契約更新など、長期的な雇用ではない
正規の職員と比べたら確かに安心感は少ないけど、逆に時間に余裕ができたり、いくつかの非常勤講師勤務を掛け持ちするなんてこともできるから、自由な働き方ができそう。
番外編3. 営業職
「もっと自分にできることを増やしたい」「スキルアップやキャリアアップを目指したい」と考えている先生にオススメなのは、営業職です。
【営業職として働くことのメリット】
- 教員として培ってきたコミュニケーション能力を活かせる(人の話を理解する、相手に分かりやすく説明するなど)
- 営業として働くと、マーケティング知識や交渉術、課題解決力などビジネススキル全般を身につけることができ、その後の転職やキャリアアップに有利に働く
- 成果主義である営業職は、自分の頑張りや成果が給与に反映されるため、やりがいを感じやすい
【営業職として働くことのデメリット】
- 売り上げ目標や目標達成などの、ノルマ達成が厳しい
- 残業や休日出勤が多い場合がある
これから3年間のことを考えたときに、学校教員としてやり続けるよりも、営業職にチャレンジしてみた方が、その後の職業の選択肢が増えそう!新しいことをするのは大変そうだけど、学校教員も大変なことは変わらない‥。
女性教員がアピールできるスキルや経験【転職に使える】
いろんな転職先があることは分かったけど、私には転職でアピールできるようなスキルも経験もないよ‥
そう不安に思った方でも大丈夫です。女性教員がアピールできるスキルや経験は以下の通り。
- コミュニケーション能力
生徒、保護者、同僚とのコミュニケーションを通じて、信頼関係を築いてスムーズなクラス運営や問題解決を実現した経験 - 課題解決能力
生徒が抱えていた課題に対して、どのように対応し、問題を解決させて改善させたかという実績 - マルチタスク能力
多岐に渡る学校教員の業務を、滞りなく進めることができた経験。業務の効率化やスケジュール管理など、全体を見渡して対応できる力。 - ICT活用スキル
オンライン授業の実施やデジタル教材の作成、活用など、生徒のニーズに合わせてICT機器を活用した経験
他にも、公立教員として毎日働く中で身につけたスキルや経験はどんなことでも、捉え方次第で転職先でのアピールポイントとなります。
「自分には人にアピールできるスキルなんてない!」と思っている方でも大丈夫です。人から褒められた経験のあることや、苦手意識を持つことなく取り組むことができることは、アピールできるポイントです!
>>自分のことをアピールする【自己PRの書き方】はコチラの記事も参考にしてください▼
女性教員の転職の味方【転職エージェントを使う】
最後に、女性教員が転職するときには、転職エージェントを活用するのがオススメです。
転職エージェントは、女性教員が持つ
- 残業ばかりで、将来の仕事と家庭の両立が不安
- キャリアアップしたいと思っているけど、機会に恵まれない
- 土日や休日も仕事ばかりで、プライベートの時間がない
といったお悩みを、しっかりと受け止めて転職活動を進めてくれます。
また、これらの不安が解消できるような転職を一緒に進めてくれる頼れる存在でもあります。
転職エージェントは無料で使える転職サービスです。ホントに転職するかどうかは、内定をもらったら考えたらいいですので、一度話を聞いてみるだけでも、働き方を変えられるキッカケになりますよ!
>>教員が転職エージェントを活用するメリットについては、コチラの記事も参考にしてください▼
KIMINARAでは、ご自身の考えや理想を整理してくれ、一人ひとりに合ったエージェントを紹介してくれます。
「え!でもまだ転職するって決めてないし‥」という方でも、すこし話をするだけで頭の中が整理されますので、ぜひ活用してみてください!
まとめ
今回は、女性の公立教員が持つ悩みを基に、オススメの転職先5選をご紹介してきました。
- 私立学校の教員
- 専門学校の教員
- 教育コンサルタント
- 教育関連の出版社、コンテンツ制作会社
- 営業職
勤務時間や業務内容など、希望の条件と自分のスキルや強みのバランスを考えながら、ぜひ転職を視野に情報収集からしてみてくださいね!
教員としてのやりがいはそのままに、働く環境を少しでも改善させられるキッカケになれば嬉しいです。
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