先生になりたいなと思って就活してるけど、自己分析って私もやった方がいいの?教員を目指している場合の自己分析ってどうやってやるの?
自分のことなんて自分が一番分かってるし、わざわざ自己分析なんてしなくてもいいんじゃないの?何がそんなに大事なの?
私立学校の教員をめざしているみなさん、こんなお悩みをお持ちではないですか?
「自己分析」という言葉は知っていても、実際にどんなことをしたらいいのか分からない、と困っている方も多いかもしれません。
実は、私立学校の教員をめざす方は、絶対この「自己分析」をやってほしいと思うくらい、就職活動においてとても大切で重要なものなのです。
今日は、私立学校で人事担当をしていた経験を基に、教員ならではの自己分析の方法とそれを採用試験に活かすコツをお伝えしていきます!
~自己紹介~
私は教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
この記事を読むと分かること
- 教員を目指す就活に、なぜ自己分析が大切なのか
- 教員を目指す方の自己分析の方法
- 自己分析の結果を使って、効果的に採用試験に活かす方法
最後まで読んでいただいて、理想の教員になるための参考にしていただければ幸いです!
>ちなみに、既に教員として働いていて、公立学校から私立への転職を考えている方向けの自己分析は、コチラの記事で紹介しています▼
自己分析とは?
まずはじめに、自己分析とはどんなものかをご説明します。
自己分析とは、自己(自分)を分析することで、自分が本当にしたいと思っていることや自分の価値観を明確にする作業です。
- どんな生活を送っていくことが、幸せだと思っているのか
- 自分は何を大切にして仕事をしたいと思っているのか
- 自分が持っている強みや特徴はどんなことか
- 自分はどんな教員になりたいと思っているのか、それはなぜか
- 自分が教員として大切にしたいことはどんなことか
といった、自分の価値観やそれを基にした仕事に対する価値観(教員をめざしているみなさんは、教育観)を言葉にしていきます。
私立学校の教員をめざすことの最大のメリットは「自分で働く学校を決めることができること」です。
自己分析をすることで、自分の理想の教員像がはっきりするので、自分に合った学校や職場を見つけやすくなりますよ!
逆に自己分析をせずに就職活動をしてしまうと、手あたり次第に動いてしまうことになり、時間も労力も無駄に‥。
入職したあとも、ミスマッチからストレスになり、長く続かないこともあります。
教員採用試験でも、必ず「どんなことを大切にしていますか?」と価値観を聞く質問をします。自己分析をしっかりとしておくことで、就活でも有利になりますよ!
教員になるための自己分析の方法
それでは、実際にペンとノートを持って自己分析をやってみましょう!
自己分析から、実際に採用に活かすまでの流れは以下の通り。
- 【自己分析1】自分が人生で大切にしている価値観を考える
- 【自己分析2】自分が望んでいる働き方、仕事に求める価値観を考える
- 【自己分析3】自分が教員として大切にしたい価値観を考える
- 【自己分析4】自分の強みとスキルを洗い出す
具体的に、1つずつ見ていきましょう!
【自己分析1】自分が人生で大切にしている価値観を考える
自分の価値観って‥好き嫌いとかではなく?どうやって考えたらいいの?
考えると言っても難しいので、これ答えたら価値観がわかる!という質問を用意しました。
回答例も一緒に載せておきますので、1つずつ時間をかけて考えてみてください。
まずは【自分が人生で大切にしている価値観】について考える質問です。
- どんな瞬間に「自分は幸せだ」と強く思いますか?
例)自分で決めた目標を達成したとき、人とのつながりが温かいなと感じたとき - 人生の中で「これだけは譲れない!」と感じるものは何ですか?
例)自分らしくいること、人を思いやること - これまでの人生で「自分ってスゴイ!」と思ったのはどんなときでしたか?
例)新しいことに挑戦してうまくいったとき、誰かをサポートして感謝されたとき - どんな環境や人間関係が自分にとって心地よいですか?
例)刺激はそんなになくても落ち着いている毎日、いつも笑って友だちと過ごすこと - 自分が最も大切にしている信念はなんですか?
例)ウソをつかないこと、人との時間を大切にすること
初めてやると、意外に言葉が出てこない方もいらっしゃるかもしれませんが大丈夫です。
時間をかけてじっくりと考えて、言葉を出してみましょう。
【自己分析2】自分が望んでいる働き方、仕事に求める価値観を考える
では次に「働く」ということに対して、自分の価値観を探ってみましょう。
同じように、以下の質問に答えてみてください。
今大学生の方は、アルバイトでの経験やボランティアなどの人の役に立つ経験などを基に考えてみてくださいね。
- 仕事していて、最もやりがいを感じるのはどんな時ですか?
例)自分のしたことで相手が喜んでくれたとき、感謝されたとき - 仕事で達成したい、最も大きな目標や夢は何ですか?
例)社会をよくしたい、困っている人を助けたい - 自分の仕事が「成功する」というのは、どんな状態ですか?
例)成果を出すこと、人に感謝されること - 理想的な仕事の環境や人間関係はどんなものですか?
例)人と協力しながら大きなことに取り組む環境、新しいことに挑戦できる環境 - 仕事において、最も大切にしたい信念は何ですか?
例)「楽しい」と思って働くこと、自分の価値観と合わないことはしない
分からないところは、分からないままでももちろん大丈夫です!
また、仕事をしながら考えが変わってくるところもありますので、まずはいったん「今の自分なら」で考えてみればOKです!
【自己分析3】自分が教員として大切にしたい価値観を考える
自分の人生、そして仕事の大枠について考えられたら、次に「教員としての価値観」を探っていきます。
あなたがどんな信念を持って教育に携わりたいと思っているのか、どんな教員になりたいのかを明確にしていきましょう!
今まで関わりのある先生たちや、教育実習での経験、教職課程で学ぶ中で感じたことなどを振り返って、考えてみてください。
少し質問数が増えますが、どれも大切なものなので頑張ってくださいね^^
- 今までに出会った先生の中で、一番良かった先生と一番イヤだった先生は?なぜそう思いますか?
例)中学時代のA先生‥英語でコミュニケーションをする楽しさを教えてくれた
高校時代のB先生‥「テストのために勉強しなさい!」しか言わなくてイヤだった - 自分が生徒だとして、あなたの「理想の教員」はどんな教員ですか?
例)自分のことに興味を持って接してくれて、ちょっとした成長もちゃんと見てくれている先生 - なぜ教員になりたいと思ったのですか?
例)中学時代のA先生が、新しいことを知るとワクワクすることを教えてくれたから。その楽しさを自分も伝えたいと思ったから。 - 教員として最も大切にしたいと思う信念は何ですか?
例)生徒が自ら興味を持って取り組めること、失敗はうまくいくためのステップ - 教員として生徒にどんな影響を与える存在でいたいですか?
例)いろんなことに挑戦することは、楽しいことだよ!というのを姿勢で示したい - 教員としてどんな生徒に関わりたいと思いますか?
例)勉強に苦手意識を持っている生徒、個性が強くてそれをコンプレックスに思っている生徒 - 教育に携わる中で、自分の役割は何だと思いますか?
例)家庭と学校以外の、実社会との接点を作る人 - どんな学校や職場が自分にとって働きやすいと思いますか?
例)自由な発想を尊重する職場、伝統や文化を大切にする学校 - 教員としての5年後の目標やビジョンは何ですか?
例)1人でも多くの生徒と向き合いたい、教授法を研究して専門性を高めたい - 教員としてどんなときに幸せを感じたり、やりがいがあると思いますか?
例)生徒が何かにチャレンジして自己肯定感が上がったのを見たとき
ただ「何となく先生になりたい!」って言っているだけだと思っていたけど、こうやって1つずつ考えてみると「自分って結構深く思うところがあるんだなぁ‥」と実感。
【自己分析4】自分の強みとスキルを洗い出す
教員として大切にしていることが分かったら、自分の強みとスキルに焦点を当てます。
ここで自分の強みを明確にしておくことで、採用面接でも「教員としてどんな強みがあるのか」「どんなポテンシャルを持っているのか」を説得力を持ってアピールすることができます。
それでは、同様にノートとペンを用意して、以下の質問に答えていってみてください。
「得意なコト」について考えると「こんなこと他の人もできるし‥」と謙遜してしまって素直に書き出せないのが日本人の悪いくせです。人にどう思われるかはいったん考えずに、書いてみましょう!
- 自分の中で、これは得意だなと思っていることはどんなことですか?
例)人前でも堂々と話すことができる、計画性があって準備を欠かさない - 友人や家族、先生に「あなたのココが良い」と褒められたことは何ですか?
例)人当たりが良い、集中力が高い - 苦手だという人が多いけど、自分は苦労なくできてしまうことは何ですか?
例)旅行の段取りや下調べ、毎日1時間の読書 - 自分の性格をポジティブに言い表すとどうなりますか?
例)負けず嫌い→何度も挑戦できる、細かいところが気になる→ミスが少ない - プレッシャーを感じる中でも、うまく行った経験はありますか?
例)大学の授業でのプレゼン発表でトラブルが起きた時に上手く対応できた - 過去の経験で、自分が成長したなと実感したエピソードはどんなことがありますか?
例)人の話を「聞く」ことを意識したら、多くの友人に相談されるようになった - 問題や課題があったときに、上手く解決できたエピソードはどんなことがありますか?どんな風に解決しましたか?
例)塾講師のバイトで担当している生徒の成績が伸びなかったときに、毎時間小テストを繰り返すことで次の学校のテストで+20点を出させることができた - 生徒や子どもたちと関わる中で、自分が上手くできると思うことは何ですか?
例)子どもたちの話を聞くこと、適度な距離感を保って人間関係を作ること - 授業の計画や進行で自信があるところは何ですか?
例)生徒の興味を引き出す導入、ICTツールを活用した効果的な授業 - 教員として役に立つスキルや知識で、自分が持っているかなと思うものは何ですか?
例)マジメで責任感が強い、大きな声、チームワークを大切にする
たくさんの質問に答えて疲れた‥けど、何となく自分の考え方、教育に対する想い、教員として活かせそうな強みが見えてきた!
ここまでの質問を通して、自分の人生観や教員としての価値観、どんな働き方をしたいかが明確になってきていると思います。
例えば
- 自分が人生で大切にしていることは「人との関わりを大切にして、いつも楽しく、笑っていられること」
- 仕事に対して大切にしたいことは「新しいことにチャレンジできる環境で、自分も成長していきたい」
- 教員として大切にしたいことは「生徒それぞれのペースでいいから、何かに挑戦することは楽しいことだよ!ということを姿勢で伝えていきたい。自己肯定感を上げられる経験をしてほしい。」
- 教員として自分が生かせる強みやスキルは「人の話をじっくり聞ける、事前の段取りを十分に行うことができること」
といった形で、キーワードがまとまってきていると良い感じです!
「あんまり答えられなかった‥」「なかなか考えが進まない‥」という方も大丈夫です。繰返し時間を取って、何回も質問の答えを考えることで、自分の思いを深めていくことができますよ!
自分の強みを私立学校のニーズと合わせて、選考に活かす
自己分析を通して自分の強みや価値観が見えてきたら、それを私立学校のニーズと照らし合わせていきましょう。
繰返しになりますが、私立学校の教員を目指すことの最大のメリットは「自分で働く学校を選んで応募することができること」です。
自分の価値観や求める職場の雰囲気と合う学校を探して応募できると、長く安心して働くことができますよ!
- 学校の教育理念や教育方針が自分の価値観と合っているか(少しは共感できるところがあるか)
- 自分が理想とする職場環境が整っていそうか
- 自分が理想とする教員に向かって、キャリアアップできる環境があるか
- 学校が求めている人物像に自分のスキルや強みが活かせそうか
を確認しながら、学校の求人情報を見て探していきます。
学校のことを詳しく調べて、自分の強みでどう学校に貢献できるかを言葉で伝えられるようになると、採用試験でもとても有利に話ができるようになりますよ!
人事としても、学校の教育理念に共感してもらえるかどうかが一番大きなポイントとして見ています。教育理念にどう共感しているのか、その背景などをお話してもらうことで説得力が増して、ぜひうちの学校で働いてほしい!と思うことも多いです。
>自分に合う学校選びのコツについては、コチラの記事も参考にしてください▼
自己分析は定期的に見直そう
自己分析は一度行ったら終わりではありません。
自分がさまざまな経験や体験をすると、それによって考え方や価値観が変わることもありますので、それを自己分析に反映させていくことが大切です。
見直すタイミングとしては、例えば
- 教育実習が終わった後
- 就活を始めて、いくつか学校の情報を実際に見ているとき
- 内定を1つもらったとき
などです。
教育実習を通して教育に対する考え方が変わる可能性もありますし、また「本当にこの学校でいいの?」と考えるためにも自己分析を再度行うこともオススメです。
内定をもらったあとに再度自己分析をしておくと、入職後にどうやって仕事をしていくか(目標)が明確にもなります。ぜひやってみてくださいね。
まとめ
今回は、新卒で私立学校の教員になるための自己分析の方法を紹介しました。
具体的な手順は以下の通り。
- 【自己分析1】自分が人生で大切にしている価値観を考える
- 【自己分析2】自分が望んでいる働き方、仕事に求める価値観を考える
- 【自己分析3】自分が教員として大切にしたい価値観を考える
- 【自己分析4】自分の強みとスキルを洗い出す
自己分析を通して出てきた自分に関するキーワードを、学校が掲げる教育理念や求める人物像につなげることで、私立学校での採用試験で効果的にアピールすることができます!
ぜひ、自己分析をすることで自信を持って就職活動をおこなってくださいね。
みなさんの理想の教員ライフが実現できるよう、参考になれば幸いです。
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