昔から「先生」という仕事に憧れていたんだけど、教員免許取っていないから諦めていたんだよね‥
学校の先生って、子どもたちと関われる特別な仕事だなと思うけど、教員免許持っていないとなれないんじゃないの?
先生になりたいけど、教員免許持っていないから‥と諦めてしまっている方はいらっしゃいませんか?
実は、通信制高校であれば、教員免許がなくても働ける環境があるのです!
- 実は、子どもたちと関わる仕事に憧れがある
- 誰にも言っていないけど、生徒たちと一緒に自分も成長したいと思っている
- 諦めているけど、実は先生という仕事をしてみたいと思っていた
こんな方にはぜひ、知っていただきたい働き方です。
この記事では、私立通信制高校の採用担当経験を基に、教員免許がなくても教育現場で働ける方法の紹介と、魅力ややりがいについて説明します!
~自己紹介~
教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
この記事を読むと、こんなことが分かります。
- 教員免許を持っていなくても通信制高校で働ける理由
- 通信制高校で働く魅力とやりがい
- 通信制高校に採用されるポイント
ぜひ、最後まで読んでいただいて、自分らしく先生として働く道を考えてみていただけると幸いです!
通信制高校とは
通信制高校って‥どんな仕組みなの?普通の高校とは違うというイメージはあるけど‥よくわからない。
そんな方でも大丈夫です、まず通信制高校の仕組みのご紹介からしていきます。
日本の高校は、3つの種類があって
- 全日制高校(授業への出席日数が単位修得条件に入っている)
- 定時制高校(授業への出席日数が単位修得条件に入っている)
- 通信制高校(授業への出席日数が単位修得条件に入っていない)
に分けられます。
通信制高校は、自宅学習とスクーリングを組み合わせた柔軟な学びのスタイルを提供する学校で、夢や目標を負いながら勉強を続ける生徒や、不登校の生徒など、さまざまな背景を持つ生徒が通っています。
また最近では、既存の教育スタイルに不満を持つ生徒や保護者が「自由な教育、新しい教育スタイル」を求めて、通信制高校に進学することも多くなってきています。
通信制高校の学校数・生徒数は年々増えており、今ではなんと高校生の12人に1人は通信制高校の生徒になっています!(文科省/高等学校通信教育の現状について)
全日・定時制と通信制高校の違い
特徴別にするときに定時制と通信制が同じカテゴリーにされることも多いですが、実は全日と定時は「決められた時間学校に行かないといけない」という点では、通信制高校とは異なる特徴です。
全日制・定時制と通信制高校には、以下のような違いがあります。
全日制・定時制高校 | 通信制高校 | |
授業の形式 | 学校に通い、決められた時間割に沿って授業を受ける | 自宅での自主学習が基本。必要に応じてスクーリング(対面授業)を行う |
単位修得方法 | ①決められた日数の授業出席 ②定期試験で必要な点数を取る | ①レポートの提出(自主学習) ②スクーリング(対面授業) ③単位認定試験に合格する |
学習スタイル | 時間割や学校のルールに合わせて勉強を進める | 自分のペースで学習を進める。時間や場所に制約が少ない |
サポートの仕組み | 教員が授業中や放課後に直接サポート | 教材やレポート指導が中心。サポート校を併用する場合もある。 |
通学頻度 | (全日)月~金まで毎日 (定時)週数回 | 年に数日~数十日のスクーリングのみ |
求められる能力 | 規則的に通学し、集団行動の中で学ぶ姿勢 | 自己管理能力や自主的に学ぶ姿勢 |
一番大きな違いは、通学頻度(出席日数)です!
通信制高校は、年に1回スクーリングでの対面授業に出席をすれば、あとは学校に行かなくても自分のペースで学習を進められる仕組みなので、時間や場所の制約が少ないことが特徴です。
通信制高校とサポート校の役割
「通信制高校」の学びを支える仕組みとして「サポート校」というものがあります。
通信制高校とサポート校は、初めて聞く方には分かりづらいものですが、それぞれ異なる役割を担っています。
■通信制高校
通信制高校は、文化省の認可を受けた「高等学校(一条校)」で、卒業すれば全日制や定時制と同じく高卒資格を取得できます。
いわゆる「通信制の仕組みを持つ、普通の高校」です。
公立と私立があり、学費も比較的低めに設定されているのが特徴。
が、基本的に生徒の自主学習が主体になるため、学習が遅れたり単位を取り切れなかったりする場合や、他の生徒との関わりが少ないといったデメリットも出てきます。
■サポート校
そして、通信制高校に特有なものが「サポート校」です。
通信制という仕組みで出てくる、上記で紹介したようなデメリットをなくすために、生徒にさまざまなサポートを行う教育機関です。
- 学習サポート
生徒一人ひとりに合わせた学習指導を行い、レポート作成や試験準備をサポートする - 生活面の支援
生徒のメンタルケアや進路指導などを行い、生徒の生活・学習環境を整える - 学校生活の充実
全日制のようなクラス活動や部活動などを提供し、他の生徒と交流する機会を増やす
通信制高校に通う生徒や保護者の「一人では学習が進められない」「他の生徒と関わって社会性を身につけてほしい」といった要望に応えられるのが、サポート校です。
ちなみに、サポート校に通うかどうかは自由ですので、通信制高校に通っているからといってサポート校に全員が通っているわけではありません。
サポート校に通っている生徒も通っていない生徒もいますが、よりスムーズに学習を進めたり、他の生徒との関わり(友だち作り)を求める生徒には、サポート校を使うことで安心感が得られます!
>通信制高校で働くことについては、コチラの記事も参考にしてください▼
教員免許がなくても通信制高校で働ける理由
通信制高校の仕組みを理解したところで、本題の、教員免許がなくても通信制高校で働ける理由を解説します。
その理由は【教員免許がなくても、サポート校で働けるから】。
先ほどご紹介したサポート校は、いわゆる「高校」ではなく「塾」なので、教員免許がなくても先生として働くことができます。
逆に、通信制高校そのもので働く場合は、教員免許必須となりますので、ご注意ください。
ただ、サポート校とは言え教育機関ですので、きちんと整備されている学校であればあるほど教員免許保持者が教員として在籍している場合も多いです。
私が勤務していた学校でも、半分以上のスタッフは教員免許を持っている先生でした。
サポート校では、生徒が毎日通ってきたり、「先生」と呼ばれたりしますので、生徒と関わりたい人にはピッタリの仕事です!
通信制高校の教員に求められる役割とスキル
それでは、通信制高校・サポート校の先生にはどんなスキルが必要なのかを紹介していきます!
通信制高校・サポート校の先生の仕事内容は?
通信制高校・サポート校の先生はどんな仕事内容を担当しているのでしょうか?
- 教科学習指導(授業スタイル:個別指導や少人数指導、オンライン指導)
- 生徒の進路指導や生活指導
- 学校行事やイベントの実施
- 面談、保護者対応
通信制だと全日制とは違って「生徒が毎日通ってこない」というところが特徴ですが、それ以外は普通の全日制の教員と同じような仕事内容です。
授業スタイルが違うだけで、全日制高校の先生と仕事内容はそんなに変わらないんだね!
通信制高校・サポート校で働く先生に必要なスキル
通信制高校やサポート校で働く教員に必要なスキルもご紹介します。
■必要な基本スキル
- コミュニケーション力
通信制高校に通ってくる生徒は、さまざまな背景を持っていることが多いです。生徒ひとり一人の思いやニーズに合わせたコミュニケーションが必要です。また、保護者とのコミュニケーションも大切。 - 柔軟性
個別対応やイレギュラーな事態への対応力も必要です。 - 指導力
自分一人では学習に取り組めない生徒には、学習サポートややる気を引き出す指導力も必要。
■あると有利な資格や経験
- キャリアコンサルタント資格
生徒の進路相談や就職支援が大きな仕事の1つですが、進路指導の専門知識や職業理解の広さ、また相談スキルが高いことを示すことにつながる資格です。 - メンタルヘルス・心理カウンセリングの資格
不登校経験や心理的な課題を抱える生徒が多く在籍しているため、学習面だけでなく心のケアや相談対応が重要になります。この資格を持っていることで、生徒の心のケアができたり、保護者対応のスキルが上がったり、また知識を持つことで自分自身へのストレスの軽減にもつながります。 - ITスキル
オンライン学習やリモート学習が中心の学習スタイルのため、ICT機器の取り扱いやシステムの運用スキルが重宝されます。オンライン授業がスムーズにできたり、いろんなツールを使って教材作成ができたり、またSNSやウェブサイトにも精通していれば学校広報としても貢献ができます。
通信制高校、サポート校で働くからと言って、特別なスキルが必要なわけではありません。
人と関わることが好き、コミュニケーション力があるなど、教員に向いている特徴を持っている方であれば、全く問題ないと思います!
>教員に向いている人の特徴については、コチラの記事も参考にしてください▼
通信制高校の教員になる方法【教員免許なし】
それでは、教員免許なしで通信制高校の教員になるためのステップをご紹介していきます!
ざっくりした流れは、以下の通り。
- 自分のスキルや経験を棚卸する
- 求人情報を調べる
- 応募書類を作成して、選考を受ける
- 内定をもらう
1つずつ、具体的に見てきましょう。
1.自分のスキルや経験を棚卸する
まずは、自分の職務経歴や身につけてきたスキルを振り返り、学校教員として役に立つものを整理します。
例えば、
- 接客や営業経験など
‥人と信頼関係を築く能力は、生徒や保護者のコミュニケーションにつながる - 教育関連や研修担当、育成担当の経験
‥塾講師や社内研修の経験は、授業で生徒に教えるスキルやグループワークのファシリテーションのスキルとして活かせる - 心理カウンセリングや福祉業界での経験
‥生徒の相談相手や、指導をするときに大きな強みになる - ITスキルやデザイン経験
‥オンライン授業やオンライン面談、システムでの成績管理や、授業資料作りで活かせる
といったように、教育現場と直接関係ない経験やスキルでも教員として活かせるスキルはたくさんあります。
それを自分の強みとしてアピールできるように整理しておきましょう!
先生としての強みなんてわからない‥と言う人は、自分の学生時代の先生の「好きだったところ」とか「この先生いいなと思ったところ」を思い出して、自分にも真似できそうなところがないかを考えてみましょう!
>自己分析についての詳細は、コチラの記事も参考にしてください▼
2.求人情報を調べる(求人サイト、エージェントの利用)
自分の強みが分かったら、次に通信制高校やサポート校の求人情報を探していきましょう!
- 学校の公式サイト
- 転職サイト
- 学校の口コミ
などの情報を確認しながら、自分にあった学校を探していきます。
教員採用.jpなどの教員に特化している求人サイトを探しても良いですが、学校の公式サイトの情報は具体的で信頼できるものなので、応募条件や仕事内容などが正確に把握できますよ!
>私立学校の選び方のポイントは、コチラの記事も参考にしてください▼
また、毎日忙しく過ごしている中で一人で教員になる方法を見つけるのが難しい‥!という方は、エージェントを利用することもオススメです。
教育分野に特化したエージェントもありますし、教員免許がなくても先生として働ける仕事を一緒に見つけてもらえます。
さらには書類準備や面接対策なども手伝ってくれますので、活用しない手はない!というくらい頼れる存在です。
どんなエージェントがいいの?エージェント探すのも大変だ‥という方には、自分に合ったエージェントを紹介してくれるサービスを使ってみましょう!
KIMINARAでは、ご自身の考えや理想を整理してくれ、一人ひとりに合ったエージェントを紹介してくれます。
「転職するって決めてないし‥」という方でも、すこし話をするだけで頭の中が整理されますので、ぜひ活用するしてみることをオススメします!
3.応募書類を作成し、選考を受ける
働きたいなと思える学校や仕事が見つかったら、採用試験の準備をしていきましょう。
通信制高校のサポート校で、しかも教員免許を持っていなくても「先生になりたい」と思っている方に対して、採用担当が気になる部分は、以下の点です。
- なぜ教員になりたいと思っているのか
- なぜ免許取得はしなかったのか
- どんなふうに教員として活躍できるのか(生徒のサポートができるのか)
- 教育において大切にしていることはなにか(学校の教育理念に共感できるか)
これらの点について、自分の強みや今までの経験・考えを踏まえて、具体的に伝えられるように準備をしておきましょう。
例えば‥
中高生に対してのカウンセリング支援経験があります。カウンセリングが必要な生徒に対して、より日常である教育現場でサポートしたいなと考えたため、御校で働きたいと考えています。
画一的な教育を提供する学校教育には今まで興味を持てませんでした。しかし、海外留学中に学んだ個別最適な教育の提供が、生徒の可能性を大きく広げることに気づきました。通信制高校という比較的自由な枠組みで、御校のように個別指導に注力した教育をされている環境があるということを知り、今回志望させていただきました。
といった感じで、自分の考えや自分なりの教育に対する考えを伝えられるように準備します。
注意するべきポイントは【学校の特徴に合わせた志望動機にすること】です。
私立学校、とくに通信制高校は、それぞれの学校で異なる特色を持って教育を提供していますので、その考え方や教育理念に共感できるかが大きなポイントです。
採用担当者や面接官に「その理由なら、別にうちの学校じゃなくてもいいよね?」と思われないように組み立てるのがコツです!
>志望動機のまとめ方については、コチラの記事も参考にしてください▼
まとめ
今回は、教員免許を持っていなくても通信制高校(サポート校)の教員として働く方法をご紹介しました。
通信制高校は、今やその数を大きく伸ばし、また在籍生徒数も右肩上がりとなっており、今までの教育に対して疑問を抱いている生徒保護者が学ぶ場として人気になってきています。
一昔前の通信制高校には、不登校など学校に来れない事情を抱えている生徒ばかりだった印象ですが、最近はいわゆる「普通科にいそうな生徒」も増えてきている実感があります。
新しい教育の形の1つとして注目されている「通信制高校のサポート校」で、ぜひ自分らしく教員として働いてみてはいかがでしょうか。
参考にしていただけると幸いです!
コメント