公立学校から私立に転職しようと思っているけど、内定をもらった後ってどんな感じか詳しく知りたい。
内定辞退ってどんなふうにやるの?大人として守るべきマナーってある?
「先生という仕事は好きだけど、公立での働き方はもうしんどすぎて‥」と私立学校への転職を考えている先生方、こんなお悩みをお持ちではないですか?
そこで今回は、未来のイメージを持っていただくために「内定をもらったらやるべきこと」を学校人事の経験を基にご紹介していきます!
~自己紹介~
私は教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
この記事を読むと
- 私立学校から内定をもらった後の動きが分かります
- 大人として円滑に辞退する方法が分かります
- 新しい職場で安心して働き始めるコツが分かります
ぜひ、ご自身の転職活動の参考に、最後まで読んでいただけると嬉しいです!
内定をもらってから入職までの流れ
まずは、内定をもらってから入職までの流れをご紹介します。
- 私立学校から内定をもらう
- 内定承諾の旨を伝える(内定承諾書の提出)
- 今の職場に退職の意向を伝え、引継ぎを行っていく
- 【複数内定がある場合】最終的に転職先としての学校を1つ決め、それ以外には辞退連絡をする
- 契約手続きを進める
- 新しい職場での入職準備を行う
それぞれのステップは多少前後することもありますが、だいたいこの流れで行っていきます。
新しい職場の方が気になりがちですが、辞める方の学校へも誠実に対応しましょう。辞める方の学校でも、人の補充を行うなどやることがたくさんありますので、できるだけ早めに伝えるのがマナーです(年度末に退職予定の場合、可能なら12月末くらいまでに)。
転職活動の全体的なスケジュールについては、コチラの記事も参考にしてください▼
内定から内定承諾まで
内定は、最終選考を受けた学校から「最終選考結果のご連絡」などといった形で、連絡がきます。
方法はさまざまで、メールで来ることもありますし、何かプラスで確認事項などがある場合は電話で伝達することも多いです。
※口頭連絡の場合でも、内定通知書などの書面が送られてきます。
内定承諾については「内定承諾される場合は〇日までにお願いします」などと、承諾の期日が設定されることが多いので、その期日までに行います。
承諾書の提出を依頼される場合もあるので、指示に従います。だいたい1~2週間で期日が設定されることが多いです。
すでに別の学校から内定をもらっていて、新たに内定をもらった学校には絶対に入職しないことが分かっている場合は、この段階で内定辞退しましょう。
ただ、実は、内定承諾後の辞退も可能です。転職される方はやはり複数学校を受けていることが多いのか、内定後辞退の数も多いです(5人に1~2人くらい)。
ですので、まだ検討するなど、少しでも入職する可能性のある学校であれば、内定承諾の返答をしておきましょう。
内定を出した学校側は、この先生に入職してほしいという気持ちでいます。実際、100%全員が入職するとは思っていない(ある程度の辞退は見込んでいる)ものの、内定を出した方が入職される準備を進めていくので、辞退される場合は早めに教えてもらえるととても助かります。
今の職場に退職の意向を伝え、引継ぎを行っていく
新しい学校から内定がもらえたら、今の職場に退職の意向を伝え、業務の引継ぎを行っていきます。
退職意思の伝え方とタイミング
自分で臨んだ転職とはいえ、今までお世話人になった学校だし、退職を言い出すのは忍びない‥
そう思われる方も多いですが、退職をしないことには次の職場には行けません。
以下のポイントを踏まえて、転職意思を伝えてみてください。
- 年度末に合わせた退職の申し出
公立学校では、通常クラス担任などの切り替わりは年度末がスムーズです。年度末に合わせて退職をし、新年度の立ち上がりに迷惑がかからないようにします。可能なら12月末までに、遅くとも1月末くらいまでに伝えられると、スムーズです。 - 自分の言葉で丁寧に伝える
責任者との面談などで、自分の言葉で丁寧に伝えます。が、本当のことを伝える必要はありませんので「家庭の事情で」など、引き止められない理由を伝えておくのが無難です。その後、退職届などの書面を提出します。
面談で話すというのも難しい、また体調不良などで学校に行けないといった場合は、退職代行を利用する手もあります。
「申し訳ないですが、もう決めたことなので」と淡々と手続きを進めていく姿勢で伝えるのがオススメです。少しでも感情的に未練がある‥と分かると、学校側も引き止めようと必死になり、面倒なことになる場合もあります。
業務の引継ぎについて
スムーズに引き継ぎを行うために【引き継ぎ書】を作成するのがオススメです。
- 生徒指導、保護者対応の履歴
- 特別な配慮が必要なケース
- クラスの雰囲気や授業の進捗度合い など
年度末で退職する場合は、新年度から新担当と新たにクラス運営がスタートするので、個別の生徒や保護者の対応などをメインで引継ぎを行います。
年度途中や、クラス替えが行われない学年といった場合であれば、クラスの雰囲気やクラス運営の注意点なども一緒に添えておきましょう。
また、通常新任者は新年度に赴任しますので、直接後任の先生と話ができないケースが多いです。
後任の先生が困ったときに見返せるように、詳細を記載し、さらに同僚や管理職にも引き継ぎ書を共有しておくと、スムーズに引き継ぎが行えます。
転職先としての学校を1つ決め、それ以外には辞退連絡をする
ありがたいことに、2つの学校から内定をもらっています。最終的に1つに決めないといけないけど、どうしたらいいかな‥。辞退連絡もちょっと申し訳ない気がして‥。
転職先としての学校を1つに決める【複数内定がある場合】
私立学校への転職活動を進める中で、複数の学校から内定をもらえる方もいらっしゃいます。
当たり前ですが、最終的には1つの学校に決めないといけませんので、様々な条件を比較して、自分がより働きやすいと感じる学校に決定しましょう。
例えば、
- メインの担当業務内容
- 残業があるかないか、休日は休めるか
- 勤務地や通勤時間、通勤方法
- 取り組む仕事により、キャリアアップやスキルアップができるか
など、具体的に自分が働いているイメージを持って考えてみましょう。
比較して、分かりやすくどちらかの学校に決まるのであれば、それで問題ありません。
最後までどうしよう‥と悩んでしまう場合は、「自分はどんな環境を手に入れるために転職したのか(=転職軸)」を改めて思い出し、それがより実現できる学校を選びます。
転職軸についての詳細は、コチラの記事も参考にしてください▼
内定辞退の方法とマナー
では、内定承諾後に辞退する場合に気をつけるべきことをご紹介します。
マナー
- 辞退を決めたら、速やかに連絡する
学校側は入職を前提にさまざまな準備をしているので、入職日が近づくほど学校側に迷惑をかけてしまいます。できるだけ早く連絡をし、どれだけ遅くとも入職の2週間前までには連絡をします - 電話で連絡をする
内定辞退の連絡は、電話で行うのが一般的です。それは申し訳ないと思う気持ちが一番伝わりやすいからです。声のトーンや伝える内容で「本当に申し訳ないと思っている」ことを伝えましょう。学校によっては、やり取りを残すためにもメールでも同様に連絡するように指示される場合もあります。 - 誠実で丁寧な対応を行う
当然のように辞退を伝えるのではなく、今まで採用に割いてもらった時間や入職に向けて準備してもらっていたこと、自分にかけてもらっていた期待などに対して、感謝と謝罪を丁寧に伝えることが大切です。
人事としても、内定辞退はとても残念ではありますが「ご本人が決めたこと」と割り切ります。またどこかでご縁がある可能性もありますので、丁寧に対応していました。
内定辞退の連絡方法
実際に電話するとなると‥緊張する!
内定辞退を申し出るときは、以下の流れで伝えましょう。
- 内定をいただいたことに対しての感謝を伝える
- 内定を辞退したいということを伝える
- 承諾後提出後の辞退となったことを謝罪する
- 電話での内定辞退となったことを謝罪する
- 内定辞退の理由を聞かれた場合も、丁寧に対応する
上記の流れを意識して、電話で辞退連絡をするときの例文をご紹介します。
【あなた】先日、内定をいただきました〇〇と申します。採用担当の△△さまはいらっしゃいますか?
お世話になっております。〇〇と申します。先日いただいた内定の件でご連絡させていただきましたが、今5分ほどお時間よろしいでしょうか。
先日は内定のご連絡をいただきまして、まことにありがとうございました。大変心苦しいのですが、内定を辞退させていただきたく、ご連絡でした。内定承諾後の辞退となってしまい、大変なご迷惑をおかけすることとなり、申し訳ございません。
(【採用担当】差し支えなければ、理由を聞かせていただけますか?)
実は御校と並行して応募しておりました学校からも内定をいただきました。最後まで悩みましたが、今後の自分のキャリアを考えた結果、そちらの学校への入職を決断しました。
本来でしたら、直接お伺いしてお伝えすべきところを、お電話でのご連絡となり大変申し訳ございませんでした。
お時間いただきありがとうございました。失礼いたします。
契約を進める
入職を決めた学校との契約を進めていきます。入職手続きとして、入職日に行う学校も多いです。
契約を行う際には、以下の点に注意しましょう。
- 勤務条件や報酬、待遇、契約期間などを書面上でも確認する
- 気になることがあれば、人事担当に連絡をして早めに確認する
私立学校では、特別な研修や試用期間が設定されている場合があります。その学校での教員として準備してもらう期間と捉えて問題ありません。そういった内容についても、手続き時に確認をしましょう。
新しい職場での入職準備を行う
いよいよ、新しい職場での勤務スタートが近づいてきています。
ワクワクした気持ちもあるけど、本当に大丈夫かな‥とドキドキ緊張する気持ちも大きいな‥。
ここでは、よりよいスタートを切るために転職前に準備しておいた方がよいことをお伝えします。
- 学校の教育理念の理解
改めて学校の教育理念について考えます。自分の教員としての役割の中で、どうやって教育理念を具体化できるのか、どんな動きをするべきかをイメージしておくと良いです - 研修には新人の気持ちで臨む
初期研修などの研修の際は、公立教員経験をいったん忘れて、新人の気持ちで参加します。公立教員の経験はもちろん即戦力となりますが、学校にはそれぞれルールややり方があります。まず最初にすべて習った通りに行い、その後要点がつかめてきたら経験を基に効率化していくのがオススメです - ストレスコントロール
新しい環境で新しい人間関係の中で仕事をすることは、非常にストレスとなります。せっかく転職できたのに、前の職場の二の舞になってしまっては意味がありません。「今日はストレスがかかったな」と客観的に考えるようにし、早く帰ったりリラックスする時間を取るようにしましょう。 - 人間関係
新しい職場では、人間関係にも不安を感じます。あいさつをする、感謝を伝える、話を聞く、自己開示をする(自分のことを話す)といった、基本的なコミュニケーションを丁寧に取るように心がけるのがオススメです。
最初のころは、人事担当も様子を気にしています。いざ現場に入ると忙しくしている先生方も多いですが、積極的に仕事を覚えていきましょう!
まとめ
今回は公立の先生が私立学校に転職する際に、内定をもらったあと、入職するまでに行うことをまとめました。
- 私立学校から内定をもらう
- 内定承諾の旨を伝える(内定承諾書の提出)
- 今の職場に退職の意向を伝え、引継ぎを行っていく
- 【複数内定がある場合】最終的に転職先としての学校を1つ決め、それ以外には辞退連絡をする
- 契約手続きを進める
- 新しい職場での入職準備を行う
以上のステップを踏まえて入職を迎えていきますが、それぞれのポイントをしっかりと抑えることで、新しい職場で自信を持って教員生活をスタートすることができます!
自分の理想の教員ライフが実現できるように、少しでも参考になれば嬉しいです。
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