大学を卒業したら「教員になりたいな」と漠然と思っているけど、今から準備しておいた方がいいことって何かある?
教員という仕事に憧れはあるけど、本当に自分にやれるのか不安も大きい‥。
将来先生として働きたいなと思っている大学生のみなさん、なんか今からやっておいた方がいいこととかあるのかなぁと漠然とした不安や疑問をお持ちではないですか?
就職活動は大学4年から始まるから、自分はまだ何もしなくても大丈夫!と思っているのであれば要注意です!
実は教員を目指すなら、大学3年生からでもやっておいた方が良いことがあります。
今日はそんな「教員を目指す大学3年生がやっておくべきこと9つのこと」を私立学校人事担当経験を基に、ご紹介していきます!
~自己紹介~
教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
この記事を読むと分かること
- 教員を目指している大学3年生がやっておくべきこと
- 自分の経験を就職活動(教員採用)でアピールする方法
- 漠然と不安に思っていることの解決方法
ぜひ最後まで読んでいただき、自信を持って教員への準備を進めていけるよう、参考になると嬉しいです!
教員という仕事とは
まず最初に、教員という仕事について改めてご紹介をしていきます。
教員の仕事の魅力
教員という仕事に魅力を感じていて「先生になりたい!」と目指している方も多いと思いますが、実際に教員の仕事はどんなところが魅力なんでしょうか?
一般的に言われる先生の仕事の魅力は以下の通りです。
子どもたちや生徒と関わることができる仕事は、教員の特権。
卒業式や終業式に「先生ありがとう!」と言われた時には、1年の苦労が吹っ飛びますよね。
教員の仕事に対する不安
先生の仕事の魅力はもちろん理解しているけど、やっぱり不安もありますよね。
学生の方からよくご質問いただく内容も踏まえて、多くの方が不安に思っていることもご紹介します!
初めてのことですので、「自分にできるかな」「どんな準備をしたらいいんだろう」と思う方は多いですよね。
学校の先生をされている方が周りにいないし、学校見学をさせてもらうこともできないし‥困った。
早くから準備することのメリット
一般的に、教員の就職活動は早くても大学3年生の1月~大学4年生の4月くらいからスタートします。
しかし「教員になりたい」という気持ちが少しでもあれば、大学3年生の1年間(4~3月)を使って早くから準備を始めることをオススメします。
早くから準備することのメリットは次の通り。
- ボランティアやインターンシップなどの経験に時間をかけられる
- 多くの学校情報を集めることができる(学校説明会に参加できる)
- 世の中の教育関連の動きに強くなる
- 将来どんな教員になりたいのかのイメージをより明確に持つことができる
- 教員以外の選択肢についても、しっかりと考えることができる
単純に大学4年生になったら、就活も本番、教育実習も行かないといけない、単位落とせないので授業も行かないといけない、といろいろ忙しくなって時間がありません。
また、最近では学生の採用激化に伴って、大学1~3年生向けにワークショップやインターンシップなどを開催して、学生と学校が早期に接点を持てる機会を作っているところもあります。
実際の就職活動(エントリーや面接など)は、大学3年生の1月以降でまったく問題ないと思いますが、自分自身の経験値を上げておく活動は、早くからやっておくのがいいですね!
大学3年生がやっておくべき9つのこと
それでは、教員になりたいなと思っている大学3年生がやっておくべきことを9つ、ご紹介します!
少しでも興味のあるものがあれば、ぜひやってみてくださいね。
先に9つご紹介します。
- 教育関連の本を読む
- 教育関連の資格を取る
- 教員募集の学校説明会に参加する
- ボランティア活動など、子どもたちと関われる活動に参加する
- インターンシップなど、学校現場が体験できるものに参加する
- 教員を目指すコミュニティへの参加
- 自己分析をしてポートフォリオを作成
- 様々な知識を身につけ、教養を深める
- 人間力を高める(人として魅力のある人になる)
具体的に1つずつ、見ていきましょう!
1.教育関連の本を読む
教育に関する知識を得ることは、その後の教員人生でとっても役に立ちます。
授業についてのアイディアやクラス運営の方法、新しい教育手法やICTを使った教育、昔からの王道と言われるさまざまな教育メソッドや各専門教科に関するものなど、
「教育」と一言でいっても、幅広く本で学ぶことができますよ。
■人事からのアドバイス■
読書で知識を得ることは素晴らしいことですが、「読書しています」だけだとアピールとしては弱いです。知識として得たことを、アルバイトやボランティアなどの実践の場で活用して経験値を積むことで、新卒ながら即戦力として活躍が期待される存在になりますよ!
2.教育関連の資格を取る
読書と同じく、教育関連の資格を取ることも、実務経験で活きてくるのでとってもオススメ。
教員を目指している方が取っておくと良い資格は、以下の通り。
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
→パソコンの基本知識が身につく。事務処理スピードUPを目指す! - 秘書検定
→社会人に必須のビジネスマナーや電話応対のスキルが身につく。 - 英語の資格(TOEIC・TOEFL・英検)
→特に英語専門先生にはオススメ。国際交流を多くやっている学校でも使える。 - 食育実践プランナー
→成長期の子どもたちに必要な栄養素などの知識が身につく。家庭科の先生や、興味のある方はぜひ。 - 教育カウンセラー
→学級経営や生徒指導など、学校での生徒との関わりの中で使えるカウンセリング手法を学べる - 心理カウンセラー
→生徒が抱えている心の問題に対して、専門的なカウンセリングを行う知識が身につく
事務処理に必要なパソコンに関する知識や、英語の資格、また生徒対応で必要なコミュニケーション力やカウンセリングの基礎知識を身につけられる資格がオススメです。
■人事からのアドバイス■
読書と同様、資格があるというだけではなく、そこで学んだことを活かしてボランティアなどで実践してみた経験が一緒にあると強いです。「知っている」だけでなく「できる」というアピールができるとステキです!
3.教員募集の学校説明会に参加する
「大学3年生なのに、学校説明会に参加してもいいの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、説明会をするたびに大学3年生の方がいらっしゃるのが普通、というくらい、一般的に参加されている方が多いです。
教員募集の学校説明会に参加をすることで、学校がどんな人材を求めているのか、実際の教育現場ではどのような取り組みが行われているのかなどの、最前線の情報が手に入ります。
そうすることでそこで得た情報を基に、効率よく自分自身の経験やスキルをUPさせていくことができます。
「教員として働く」というゴールに向かって、何をすればいいのか(どんな人材になればいいのか)が明確になる感じですね!
また、いくつか学校説明会に参加をすることで、学校ごとの特徴や違いについても知ることができます。
自分がどんな教育をしたいのか、どんな学校で働きたいと感じるのかを知る機会にもなりますね!
■人事からのアドバイス■
学校説明会は大学4年生しか参加できないものではありませんので、遠慮する必要はありません。が、片手間に聞いているような態度は悪印象です。来年実際に採用試験を受ける可能性があることを意識して、目的を持って集中して参加しましょう!
学校によっては、説明会参加者を把握して、つながりを保とうとメールなどで連絡をしてくる場合があります。もちろん断っても良いですが、来年のことを見据えて「丁寧で誠実な対応」をしておきましょう。
4.ボランティア活動など、子どもたちと関われる活動に参加する
教員のメインの仕事である、子どもや生徒と関わる経験を積むために、ボランティアなどの活動に参加することもオススメです。
実際に子どもたちと関わることで、以下のようなスキルを身につけることができます。
①②で紹介した、読書や資格取得の中で得た知識を、実際に目の前の子どもたちに対して実践してみる、そして改善や自分なりのアレンジをしていく、ということも効果的ですね。
また、ボランティアと一言で言ってもさまざま。
- 学習支援ボランティア(学校の宿題や外国語のサポートなど)
- 放課後児童クラブでの活動
- スポーツや文化活動の指導
- イベント支援
- NPOやNGOでの活動
自治体がボランティアを募集していることもありますし、ボランティア募集HPなどを見てみるのがオススメです。
どのボランティアがいいかな?と迷ったときには「自分が興味のあるもの」や「自分の得意が活かせるもの」を選ぶと、楽しく継続ができますよ!
■人事からのアドバイス■
「ボランティア活動をしていました」というのは、とても分かりやすいアピールポイントです。そこでの経験や学びを語れるように、活動後に学んだことや考えたことなどをまとめておくと良いですね。
5.インターンシップなど、学校現場が体験できるものに参加する
学校によっては、学生向けのインターンシップなどを実施しているところもあります。
ボランティアとは異なり、実際の「学校教育現場」に身を置いて、教員の仕事をプレ体験できるのがインターンシップです。
このインターンシップに参加するメリットは、以下の通り。
実際の教育現場を見て、そこで働いている方との交流ができるというのは、今後教員を目指す上でとても貴重な体験になるはずです。
「やっぱり先生っていいよね!」と思うだけでなく、「こういうところは課題だな」と考えることで、自分が教員として目指すキャリアや方向性も変わってくることもあるかもしれませんね!
■人事からのアドバイス■
インターンシップなどへの参加も、非常にアピールポイントとしては大きいです。が、ボランティアよりも「就活のためにやっている感」が出るのも事実なので、参加した意図や学びになったことなどをきちんと言語化しておくことが大切です。
6.教員を目指すコミュニティへの参加
オンラインコミュニティや対策講座のグループなど、教員を目指すコミュニティへ参加することも、大学3年生にはオススメです。
教員を目指すコミュニティに参加することは、単に情報交換を行うだけの場ではなく、教員としての成長につながるキッカケもたくさんあります。
例えば、
といった感じで、「教員を目指しているけど、不安‥」という気持ちを一人きりで抱えることもなくなります。
大学内の情報や、SNSなどでコミュニティを探してみてくださいね!
■人事からのアドバイス■
「コミュニティに参加する」というのは、正直、直接的なアピールポイントにはなりませんが、幅広く情報収集をしたり、仲間の存在で勇気づけられたりはします。自分にとってプラスだなと感じられるようなコミュニティを見つけることが大切。
7.自己分析をしてポートフォリオを作成
教員を目指す大学3年生にとって、自己分析をしてポートフォリオを作成することは、これから就活をしていく上で、また教員を目指していく上でとても大切なことです。
自己分析とは、自分の強みや弱みを客観的に把握し、自分が大切にしている価値観を言語化すること。ポートフォリオとは、自分が今までに経験してきたことや得意なことなどを整理してまとめたもの。
つまり「自分自身を見つめ直して、自分自身の自己紹介のような形で見せられるようにまとめる」ということです。
まだまだ時間のある大学3年生の時期に、一度これをやっておくと、就職活動に向けて効率的に準備ができたり、自分の理想の教員像に合った学校を選ぶこともしやすくなりますよ。
また、③の学校説明会に参加をして「求められる人物像」を理解して、自分の現状と照らし合わせることで、強みとして活かせるものが分かり、また弱みを改善する行動もとることができます。
自分自身の現状を振り返るという意味で、ぜひ一度やってみてくださいね!
■人事からのアドバイス■
自己分析やポートフォリオを作成することは、就職活動において非常に大切。自分がどんな働き方をしたいと思っているのかを言語化できるため、公立私立の判断や、どんな学校で働きたいかを明確でき、ミスマッチを防ぐことができます。
>自己分析についての詳細は、こちらの記事も参考にしてください▼
8.様々な知識を身につけ、教養を深める
教養のある人って、魅力的ですよね!いろんなことを知っていたり、物事を自分の目線で解釈して判断できたりして。
教員を目指している方にはぜひ、教員になるための努力だけでなく、教養を深めることもオススメです。
教養を深めておくと、具体的に以下のようなメリットがあります。
教員になるための勉強をしている人ももちろん素晴らしいですが、世界を広く見て様々なことに興味を持ち、知っていくことも大切です。
教養を深めるためにオススメなことは
- 幅広いジャンルの読書(現代小説、歴史小説、科学書、ビジネス書など)
- 社会情勢や時事問題を知るために、新聞や雑誌を読む
- 美術館や博物館、図書館を訪れる
- 外国語を学んだり、異文化を学ぶ
- セミナーや講座への参加
「何をすればいいんだろう?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、まずはご自身が一番興味のあるものから深掘りをしてみましょう。
読書が好きな方なら、普段読まないような本を読んでみるとか、ニュースはテレビかネットですという方は新聞を読んで普段気にしないような記事も読んでみるとか。
自分の興味のあることからスタートして、いろいろ知っていくと、さらに知りたい!と思えるようになってきますよ。
■人事からのアドバイス■
幅広い教養のある方というのは、非常に魅力的です。生徒にとっての教員という立場ではもちろん、職場で一緒に働く同僚としても、こんな人と一緒に働いたら面白そう!とポジティブな印象を持ちます。1~2つの分野でもいいので、意識して知識を深めてみることをオススメします!
9.人間力を高める(人として魅力のある人になる)
教員を目指す大学3年生がやっておくべきことの最後の1つは、人間力を高める(人として魅力のある人になる)です。
⑧教養を深めるが「知識面」での人の深みであれば、⑨人間力は「行動面」の人の深みという感じでしょうか。
人間力を高めておくと、こんなメリットがあります。
人間力の高い人は、誠実で信頼感もありますし、尊敬できる部分がたくさんあって、生徒からも同僚からも一目置かれる存在となります。
近くにいる人に対してポジティブな影響を与えてくれる「人間力の高い人」は、学校現場でも非常に重宝されます。
人間力を高めて、人として魅力のある人になるには、以下のようなことがオススメです。
- 積極的に人と話す、コミュニケーションを取る
- 感謝の言葉を口にする
- 行ったことないところへ旅行する(国内、海外)
- 新しいことにチャレンジする
- 失敗から学ぶ姿勢を持つ
- 趣味を楽しむ、極める
こういったことを通して、行動力やコミュニケーション能力、前向きなマインドセットや問題解決力など、教員にとって必要なスキルがまんべんなく上がっていきますよ!
「忙しい」とか「ちょっとお金がキツイ‥」というのを言い訳にせず、何か新しいことにチャレンジをしてみましょう。
■人事からのアドバイス■
人として魅力的だな!と感じる方は、非常に好印象ですし、生徒保護者も安心して任せられるだろうという安心感があります。ぜひ大学3年生の段階から、いろいろなことにチャレンジして世界を広げる動きをしてみてください!
教員になることに不安を感じている方へ
ここまで、教員を目指す大学3年生の方が今のうちにやっておくべき9つのことをご紹介してきました。
今から教員になれるようにいろいろと経験を積んでおくべきということは伝わったかなと思いますが、それでもやっぱり「自分にも先生になれるかな」と不安に思う方もいらっしゃると思います。
最後に、学生の方がよく持つ不安とそれに対して、人事目線で回答をしていきます!
子どもたちをうまく教えられるかが不安です
「うまく教えよう」とすると、逆に難しくなるときがあります。一人ひとりに合った教え方があるので、「一緒に考えよう!」というスタンスが良いと思います。本や研修会などで知識をつけたり、先輩に工夫しているところを聞いてもいいですね。
クラスをまとめられるかが不安です
クラスをまとめるためには、コミュニケーション能力やリーダーシップが求められます。ボランティア活動などで、実際に子どもたちと触れ合いながら、一人ひとりを見ながら全体を見るというバランスを養っていきましょう。
忙しそうで、長時間労働に耐えられるかが不安‥。
慣れない間はどんな仕事でも忙しいし大変なのは事実。ただ、私立学校によっては働き方改革が進んできている学校も多いので、ワークライフバランスを意識して、自分のペースで仕事をすればOKです!
先生という仕事に憧れはあるけれど、自分が先生に向いているのかどうか分からない。
先生という仕事に憧れがあるのであれば、ぜひやってみることをオススメします!先生に向いているかどうか、というよりも、生徒とコミュニケーションが取れるかという方が大事です。それにいろんなタイプの先生がいた方が、生徒にとっても良い影響があります。「人と関わることが好き!」であれば、先生に向いていると思っています。
>先生に向いている人の特徴は、コチラの記事にまとめています。参考にしてください▼
知らないことや分からないことに対して不安に思うことは当然のことです。
先生という仕事に対しても、大学卒業後が本格スタートで、本当に自分が目指してもいいものかと不安になるのも当然です。
頭の中でモヤモヤと考えていても不安が大きくなるばかりですので、上でご紹介した「やっておくべきこと」に少しずつチャレンジしていくと、漠然とした不安は消えていくはずですよ!
まとめ
今回は「教員を目指している大学3年生が、やっておくべきこと9選」ということでご紹介をしてきました。
毎日の学校生活やバイトなどなど、忙しく過ぎていく大学生活ですが、就職活動が始まる前からの取り組みがとても大切です。
時間に余裕のある今のうちに、教員採用試験でアピールできるポイントや経験をたくさん積んでおきましょう!
そういった実際の経験を積むことで、自分の理想の働き方や自分に合う学校が見つかりやすくなり、そして「自分らしく先生として働く」ことができるようになります。
ぜひ、参考にしてみていただけると嬉しいです!最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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