
講師として働いているけど、この経験って教員採用試験で有利になるの?



講師経験を持っている人ってたくさんいるよね‥。この経験を効果的にアピールするには、どうしたらいいの?
講師として働いているみなさん、講師経験をお持ちのみなさん、このようなお悩みをお持ちではないですか?
私立学校での人事担当経験からすると
- 講師経験は教員採用試験でとっても有利に働く!
- でも上手にアピールできる方が少なくてもったいない
のです。
講師経験をいかに効果的にアピールできるか、自分の経験の価値を十分に伝えられるかが教員採用試験の合否に大きく関わってきます。
今回は、人事担当経験を基に、採用する側から見て「この人ぜひ採用したい!」と思わせる、講師経験を有利に活かすアピール方法を5つ、具体的にご紹介していきます!
~自己紹介~
私は教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
この記事を読むと分かること
- 講師経験が教員採用試験で有利になる理由
- 講師経験を採用試験で効果的にアピールする方法
- 講師経験の伝え方NGパターン
ぜひ最後まで読んでいただき、自信を持って教員採用試験に臨めるよう参考にしてもらえたら嬉しいです!
講師経験が教員採用試験で有利になる理由





講師経験なんて、正規教員には及ばないんじゃないの?
そう思っている方も多いかもしれませんが、それは大きな誤解です!
私立学校の採用では、講師経験は非常に高く評価される可能性を秘めています。
その理由は、講師として培われた経験が、私立学校が求める人材とリンクする部分が多くあるから。
具体的に有利になる部分をご紹介していきます!
1.即戦力として期待される
「教育現場」を知っている、そこで働いたことのある経験を持っていると、新しい学校に加わった際でも即戦力として活躍ができます。
講師として実際に教壇に立って授業をして、生徒指導、授業運営、部活動や校務分掌の一部に携わってきたあなたは、すでにその「現場」を知っています。
すでに「基本の教員スキル」を持っているので、学校側としてイチから育成をする必要がなく、即戦力としてスグに学校に貢献してくれるというのは非常にありがたいのです。
2.多様な経験と適応力
講師として、複数の学校で経験を積んだ方や、同じ学校でもいろんな学年・科目を担当した方もいらっしゃるでしょう。
それぞれの学校やクラスには独自の文化や生徒の特徴があり、それに合わせて授業の方法や生徒との関わり方を調整するということを自然にやってきていると思います。
そういった「さまざまな環境への適応力」も、私立学校で求められる大切な資質の1つです。
講師経験を通じて、あなたは知らず知らずのうちに高い適応力を身につけているのです!
3.教育現場への情熱と覚悟
講師という立場で教員をめざすということは、給与面や雇用などの面で「安定している」とは言えない環境かもしれません。
そんな中で講師を続けているということは、「教員になりたい!」という強い気持ちと覚悟を持っているという証拠です。
採用担当としては、そんな「教育に対する熱い思い」を高く評価します。
「教員になりたい」「教員として〇〇をしたい!」という具体的な目標を持っている人材は、私立学校にとってはとても魅力的な方なんです。
「講師は不利」と言われるのは誤解
「講師は正規教員に比べて不利だ」と言われたことはありますか??
これを聞いて、教員採用試験でも講師は不利なのかも‥と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それは誤解です。
これは、未経験から正規採用されるときの話で、講師経験があるあなたには関係ありません。
重要なのは「正規教員かどうか」ではなく「どんな経験を積んできたか」そして「その経験をどう活かせるか」です。



採用担当者にとって「講師経験を持っている」ということは、非常に分かりやすいアピールポイントになりますよ!
採用担当はココを見る!講師経験を活かすアピール方法5選


それではここから、講師経験を最大限にアピールする具体的な方法をご紹介していきます!
先に結論から。
- 具体的な「成果」と「貢献」を数字で示す
- 私立学校ならではの「教育理念」への共感を伝える
- 問題解決能力をアピールする
- 多様な経験と柔軟性、コミュニケーション力を強調する
- 「この学校で何をしたいか」を明確にする
ぜひ教員採用試験前に確認して、準備に活かしてくださいね。
アピール方法①:具体的な「成果」と「貢献」を数字で示す
ただ「〇〇を経験しました」というだけでは、採用担当者の心には響きません。
重要なのは、講師として働く中で「何を実現し、どんな貢献をしたか」を具体的に伝えること。
そして可能であれば、より客観的に伝わる”数字”を用いて示すことで、より説得力を持たせることができますよ!
■授業における成果(例)
- 担当クラスの定期テスト平均点が、前年度日で5点向上しました
- 生徒アンケートで、私の授業の「分かりやすさ」について90%以上の生徒から評価してもらいました
- 英語に対して苦手意識を持っていた生徒が、私の指導で一緒に努力し、成績を2段階アップさせることができました
■生徒指導・部活動における成果(例)
- 部活動の副顧問として、生徒のモチベーション向上に取り組み、〇〇大会で過去最高のベスト8に進出しました
- 生徒会活動の担当として、生徒と一緒に〇〇イベントを成功させ、参加生徒数を前年比で〇〇%増加させました
■校務分掌・その他における成果(例)
- 〇〇委員会の業務改善を提案し、資料作成時間を平均30分短縮することに成功しました
- 学校説明会で個別相談を担当し、〇〇組の保護者・生徒から高評価をいただき、入学につなげることに成功しました
例で出したように、具体的な数字や変化を情報として入れることで、自分の能力と貢献度が分かりやすくなりますよ!
漠然とした表現ではなく、具体的なエピソードを紹介しつつ、現場に対して何ができるのか、どんな価値を提供することができるのかを伝えていきましょう。
アピール方法②:私立学校ならではの「教育理念」への共感を伝える
私立学校は、それぞれ独自の教育理念を持っています。
公立学校のように人事異動での転勤がない分、私立学校では学校のカラーや教育方針に深く共感し、その一員として長く貢献してくれる人材が求められています。
そういった背景から、単に教員になりたいというだけでなく「なぜこの学校なのか」を明確に語ることが重要です。
徹底した学校研究を行う
応募したい学校が見つかったら、その学校について徹底的に調べましょう。
- その学校が作られた背景(学校建学の想い)
- 教育理念
- 特色ある教育プログラム
- 部活動
- 進学実績
こういった情報は、学校のウェブサイトやパンフレットを確認することはもちろん、可能であれば学校見学などで実際に訪れて雰囲気をつかむことも大切です。
「私立」ならではの魅力を語る
公立学校との根本的な違いを理解し、なぜ私立学校で働きたいのかを具体的に伝えましょう。
- 自由な校風
- 特定の理念に基づいた教育
- 少人数教育
- 先進的な取り組み
など、自分が私立学校に魅力を感じる点を明確にしてください。


自分の教育観と合っていることをアピールする
自分の教育観や教員としてめざす姿が、応募する学校の教育理念とどのように合致するのかを伝えましょう。
講師として経験した中で、その学校の教育理念につながるようなエピソードがあれば、説得力が増します。
例えば
「貴校の”生徒一人ひとりの個性を伸ばす教育”という理念に深く共感します。私も講師時代に生徒のさまざまな学習スタイルに合わせて指導法を工夫することで、それぞれの生徒の可能性を最大限に引き出すことにやりがいを感じていました。貴校であれば、私のこの経験と情熱をさらに活かせると確信しております。」
自分の考えと学校の教育理念が同じであることが伝わると、単純に就職先として学校を選んだわけではなく、「その学校の教員として教育に深く貢献したい」という意思が含まれることが伝わります。



この学校で働きたい!という本気度が伝わってきますね。
アピール方法③:問題解決能力をアピールする
教育現場は、常にさまざまな問題に直面しています。
- 授業の改善、生徒の学力向上
- 生徒指導の問題
- 学校行事の運営
など、大小問わず課題解決能力が求められます。
講師としてあなたが解決した「課題を見つけ、どう考え、どう行動し、その結果どうなったのか」という動きを具体的に示すことで、あなたの問題解決能力と実践力をアピールできます!
これを具体的に伝えるためには、「PDCAサイクル」を意識すると分かりやすいですよ。
- 特定の問題【PLAN】
講師として働いていた時に、どんな課題がありましたか?
(例:特定の単元での生徒の理解度が低い、クラスの雰囲気が悪い、部活動の練習が非効率、など) - 具体的な行動【DO】
その課題に対して、あなたは具体的にどのような行動を起こしましたか?
(例:授業資料を工夫した、個別面談を増やした、練習メニューを見直した、など) - 結果の評価【CHECK】
その行動の結果、どのような変化や改善が見られましたか?
(例:テストの平均点が上がった、生徒の笑顔が増えた、チームの連携が強化されて勝てた、など) - 次の改善【ACT】
その経験から何を学び、次にどう活かそうと考えていますか?
(例:さらに〇〇の指導法を深めたい、異なるアプローチも試したい、など)
PDCAサイクルを意識しながら、自分が今までに行ってきた課題解決を伝えることで、自ら考え・行動し・改善していくことができる人材だと示すことができます。
これは新しい学校でも主体的に貢献してくれる人材を求める私立学校にとって、非常に好印象なポイントです!
アピール方法④:多様な経験と柔軟性、コミュニケーション力を強調する
講師という立場は、正規教員よりも幅の広い業務を経験する機会が多いことがあります。
- 複数の学年や科目を担当する
- いろんな部活や委員会を受け持つ
- さまざまな立場の教職員と連携する
- 保護者や地域の方と関わる
など、講師の立場だからこそできるこういった様々な経験を通して、柔軟性やコミュニケーション力が養われているのです。
これらはチームで学校運営を行う上で不可欠な資質ですので、ぜひアピール素材として使っていきましょう!
■「さまざまな経験」の具体例
- 〇年間で、中高両方の英語科目を担当し、それぞれの年齢層に合わせた指導法を身につけました
- 授業だけでなく、進路指導の補佐や学校行事の企画運営にも携わり、幅広い学校業務を経験しました
- 異なる学習レベルのクラスを担当し、生徒一人ひとりに寄り添った個別最適化された指導を実施してきました
■「柔軟性」の具体例
- 急な休講や授業変更にも柔軟に対応し、臨機応変な対応力を培いました
- 学校の教育方針やカリキュラムの変更にも迅速に対応し、自分自身の指導法を常にアップデートしてきました
- 教育改革やICTツールの導入など、新しい動きを率先して取り入れ、学内に広める一助を担いました
■「コミュニケーション力」の具体例
- 生徒との個別面談では、傾聴と共感を心がけ、信頼関係を築くことを重視しています
- 保護者からの相談には、生徒の状況を的確に伝え、共に解決策を探る姿勢で対応してきました
- 他教科の先生方や事務職員の方々と蜜に連携を取り、円滑な学校運営に貢献しました
これらの経験は、あなたがさまざまな状況に対応できる順応性の高い人材であること、そしてチームの一員として円滑に協働できることを明確に示します。
私立学校では、教員同士の連携が非常に大切なため、こういった能力は高く評価されますよ!



私立学校では特に、新しいものの導入が早く、柔軟な対応が求められます。またコミュニケーションの力は、教員として働く上では欠かせないものですね!
アピール方法⑤:「この学校で何をしたいか」を明確にする
採用担当者は、あなたが「この学校で何をしたいのか」「将来、どんな教員になりたいのか」という具体的なビジョンを持っているかを重視します。
講師経験を通して見えてきた、自分自信の教育に対する深い考えと、その学校で実現したい具体的な貢献内容を語ることが大切です!
- 講師経験を通して見えてきたこと
講師としての日々の中で、どのような課題意識を持ち、どのような教育の理想を抱くようになりましたか?
(例:講師として、目の前の生徒の学力向上に努める中で、長期的な視点でのキャリア教育の重要性を痛感しました) - 応募する学校で実現したいこと
自分の考える理想や将来的なビジョンが、応募する学校が持つ教育理念の実現にどう貢献できるかを具体的に伝える
(例:貴校が力を入れている〇〇教育に、私の□□の経験を活かし、生徒が社会に出たときに役立つ実践的な力を育むプログラムを企画・実行したいと考えております) - 教員としての長期的な成長
教員として、今後どのような専門性を深め、どのような貢献をしていきたいと考えているのかを伝える
(例:将来的には、貴校のカリキュラム開発にも携わり、より時代に即した魅力的な教育を提供できるよう尽力したいと考えております)
このアピールをすることで
- あなたが長期的な視点で学校に貢献してくれる人材であること
- 明確な目的意識を持って仕事に取り組むプロだということ
が伝わります。
単に「教員になりたい」というだけでなく「この学校でこんなことを実現したい」という強い意欲は、採用担当者にも大きく響きますよ!



人事としても面接では「あなたが何をしたいのか」「それがどうこの学校の役に立つのか」は必ず確認しています。
>教員採用試験の面接を効果的に進めるコツは、コチラの記事も参考にしてください


【Q&A】講師経験者がやりがちな失敗を避ける


ここまで、講師経験を有利にアピールする方法を解説してきましたが、実は講師経験があるからこそやってしまう失敗も存在します。
これから紹介する3つの点に注意することで、より自信を持って面接に臨めるようになるはずです!
Q1. 単なる「経験談」で終わらせていませんか?
「〇〇の授業を担当しました」「〇〇の部活の顧問をしました」など、事実を羅列するだけで、そこから何を学び、どう活かせるのかが伝わらないケース。
「具体的な成果と貢献を数字で示す」「問題解決能力をアピールする」ことを意識しましょう!
- 経験したことから得た学び
- 課題に対してどのように取り組んだのか(考えて、行動した内容)
- 具体的な成果
ここまでセットで語ることで、あなたの経験が単なる事実ではなく【価値あるもの】として評価されます。
面接では「それはなぜですか?」「その経験から何を学びましたか?」と深掘り質問を受けることも想定して、具体的なエピソードと一緒に話せるように準備しておきましょう。
Q2. 謙遜しすぎて、ちゃんと自分の強みをアピールできていますか?
「正規の先生のサポート役だったので‥」とか「あまり大したことはしていませんが‥」など、謙遜して伝えてしまうことで、せっかくの経験を過小評価してしまうケース。
(余談ですが、日本人は本当に、謙遜しすぎだと思います!)
もちろん、傲慢になるのは良くありませんが、採用の場では自分の強みを堂々と伝えることが大切です。
講師としてあなたが経験してきたことは、間違いなく現場での貴重な経験です。
自信を持ってあなたが学校に提供できる価値や、生徒のために貢献できることを明確に伝えましょう。
具体的なエピソードに基づいた自信であれば、傲慢には聞こえないので安心してくださいね。
Q3. 応募する”私立学校ごとの特色”を見極められていますか?
複数の学校に応募する際、どの学校にも同じ志望理由やアピールポイントを使いまわしてしまうケース。
繰り返しになりますが、私立学校は各学校で独自の教育方針を持っていますので、「その学校に合わせた内容」で講師経験をアピールしていくことが本当に大切です。



特に面接官は、その学校の特徴に誇りを持っていることが多いです。ので「それうちの学校じゃなくてもいいよね?」と思われると、ネガティブな印象を残してしまいます。
上記【私立学校ならではの「教育理念」への共感を伝える】でも述べたように、応募する学校ごとに徹底した研究が不可欠です。
その学校の特色や教育理念に、あなたの講師経験がどう活かせるのか、あなたがどう貢献できるのかを具体的に結び付けて語りましょう。
テンプレート的な回答ではなく、その学校に対する「熱意」と「理解」を示すことで、採用担当はあなたの本気度を感じ取ります。
この準備は本当に大切!時間を惜しまないでくださいね!
面接対策にはエージェントの力も借りよう
なんとなく、講師経験をアピールできそうな気がしてきた‥けど、やっぱり面接は心配。と不安になるかたもいらっしゃるかもしれません。
そんなときにぜひ活用していただきたいのが、転職サポートを無料で受けられるUZUZ。
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まとめ
今回は、講師として働いてきている方がその経験を有利に活かすための具体的なアピール方法5選を紹介してきました。
効果的に講師経験をアピールする方法は、以下の5つ。
- 具体的な「成果」と「貢献」を数字で示す
- 私立学校ならではの「教育理念」への共感を伝える
- 問題解決能力をアピールする
- 多様な経験と柔軟性、コミュニケーション力を強調する
- 「この学校で何をしたいか」を明確にする
「正規教員としての経験がないから‥」と不安に思うことは全くありません。
講師としての経験は、正規教員をめざす上で非常に大きなアドバンテージです!
机上の空論ではなく、実際に教育現場で生徒と向き合い、さまざまな課題を乗り越えてきた経験は「教員としての資質」をしっかりとアピールしてくれる材料になります。
今回紹介したアピール方法を参考に、素晴らしい講師経験を活かして自信を持って面接に臨んでくださいね!
「自分らしく先生として働く」を実現できるよう、応援しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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