私立学校から内定をもらった後ってどんなことをすればいいの?入職まで何もしなくていいなんてことないよね?
ありがたいことに、2つの学校から内定をいただけた。1つ辞退しないといけないから、角が立たないように辞退連絡する方法を教えてほしい。
私立学校の教員を目指して就職活動をしている大学生のみなさん、「内定後ってどんな感じ?」「辞退連絡しないといけなくなったらどうするの?」という疑問をお持ちではないですか?
私立学校では内定者を対象に、「内定式」「内定者研修」などの集まりが開催される学校もあり、4月を待たずに、内定をもらった後から入職の準備が始まっていくことが多いです。
そこで今回は、私立学校の内定後に準備すべきこと5選!というテーマで、8年間の私立学校での人事経験を基に、内定後にどんな動きをすればいいのか、よりよい教員生活をスタートするためにどんなことに気をつければいいのかを解説していきます!
~自己紹介~
私は教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。
この記事を読むと分かること
- 内定をもらった後にするべきこと
- よりよい教員生活スタートのためにしておくべき入職前の準備
- (2つ以上内定がある場合)角の立たない内定辞退の方法
最後まで読んでいただいて、教員としてよりよいスタートが切れるように参考にしてくださいね!
内定後に最初にすべきこと【契約内容の再確認】
私立学校教員としての内定をもらえたみなさん、まずはおめでとうございます!
大変だった就職活動もひと段落、だと思いますが、「内定はゴールではなくスタートです」と言われるように、これからが教員としての本当のスタート。
まず、内定後に最初にするべきことは、契約内容の再確認です。
内定通知を受け取ったら、契約書や雇用条件などの詳細を必ず確認し、「この学校で自分の理想の教員生活を送ることができそうか」を再度確認します。
必ず確認してほしいのは、以下のポイント。
- 給料、ボーナス
- 勤務時間、残業時間
- 休日
- 福利厚生
- 各種手当
毎日の働き方や収入に直結する部分は、念入りに確認しておくのがオススメです。
また、あいまいな部分があれば人事担当に質問して、解決しておきましょう。
こんなこと聞いてしまって大丈夫?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、雇用条件は齟齬があるとお互い良くないです。人事にはしっかり理解してもらう責任もあるので、遠慮なく質問してください。
入職前に準備しておくべきこと5選
私立学校の内定は、学校にもよりますが、早ければ大学4年の5~6月には出されます。
そこから入職までの約9か月間、どんな風に過ごしていけばいいのでしょうか。
入職後を見据えて勉強したり準備したり、あるいは大学生活を満喫したいと思っている方もいるかもしれません。
学校人事担当として、オススメの「入職前に準備しておくべきこと」は、以下の通りです!
- コミュニケーションについて学ぶ
- 担当業務で求められる可能性のあるスキルや知識を学ぶ
- 教材や授業計画を行う
- 自己管理スキル(スケジュール管理やタスク管理)を高める
- 心と体を十分休ませる
1つずつ、具体的に見ていきましょう!
コミュニケーションについて学ぶ
私立学校の教員として働くことは、人と関わりながら働くことですので、コミュニケーション力は必要不可欠です。
生徒や保護者、同僚や責任者とのコミュニケーションがスムーズにできるようになっておくと、入職後も安心です。
本などを読んで勉強してもいいのですが、
- 相手の話を丁寧に聞く、共感を示す
- 自分の考えや意見を”相手が分かるように”伝える
- たとえ話や数字などを使って、話に説得力を持たせる
- (上司への報告は)結論を先に述べ、現状と今後どうするのかを簡潔に伝える
- さまざまな意見や考えを1つにまとめて、行動につなげる
これらのポイントを意識して、会話ができるように意識することがオススメです。
塾講師などのアルバイトをしている方は、普段の関わりの中からぜひ生徒とのコミュニケーションを考えてみてください!
また、教員は同僚とのチームワークが大切になる場面も多いですので、サークル仲間や友人と何か企画して一緒にやる、といったことも練習になりますよ。
担当業務で求められる可能性のあるスキルや知識を学ぶ
私立学校では、公立学校と異なる教育手法やスキルが求められることがあります。
例えば、ICTツールの活用や、独自の教育プログラムが実施されていることが多いので、入職前にスキルを身につけたり慣れておくと安心です。
ICTツール:タブレットやオンライン教材、デジタル教科書、電子黒板などの効果的な使い方を学ぶ
部活指導:担当する可能性のある部活動に関する知識を身につけておくと、指導開始がスムーズ
進路指導:その学校の卒業生の進路実績を確認し、生徒が身につけるべき学力やスキルを確認しておく
こういったことを事前に準備しておくと、未来の自分を助けてあげることができますよ。
実際に4月以降の担当業務は、内定が出た段階では決まっていないことが多いです。ので、あくまで可能性として、学校の特色から必要そうなスキルを身につけておくのがオススメ。どちらにしても教員としてのスキルアップにはつながります!
教材や授業計画を行う
4月になって、新しく仕事を覚えながら担当授業もこなして‥というのはかなりハードです。
ですので、時間があるうちにできるだけ授業計画や教材の準備を進めておくことをオススメします。
指導要領や教科書を確認し、自分がこの授業を担当するならどうやって教えるかを具体的にイメージしておくとよいでしょう。
私立学校によっては、独自のカリキュラムやシラバスを持っている場合もあるので、入職後に具体的に教えてもらえることもありますが、教科書を予習しておく、授業のイメージを持っておくだけでも、4月以降かなり楽になりますよ。
自己管理スキル(スケジュール管理やタスク管理)を高める
教員として日々の業務を効率的にこなしていくためには、自己管理能力が重要です。
たとえば、教員として働く上で大切な自己管理スキルは
- タスク管理能力:やるべきことを並べて、優先順位をつけて終わらせていく力
- スケジュール管理能力:期日や約束に間に合うように行動していく力
- タイムマネジメント:時間をうまく配分し、計画的に予定を進めていく力
- ストレス管理能力:避けては通れないストレスをうまくコントロールして、適切に対処できる力
など。
忙しく働く教員にとっては、タスク管理能力やストレス管理能力はとても大切になりますので、学生のうちに意識して身につけておけると、入職後も安心です。
特に教員1年目には「ストレス管理能力」はとっても大切!忙しい毎日でプレッシャーを感じ続けていると、教員そのものを続けられなくなってしまいます。ストレスがかかりすぎていると感じたときに、自分を守れるようにしておきましょう。
心と体を十分休ませる
社会人としての生活が始まる前に、心と体をリフレッシュさせておくことも大切です。
最近は、就職活動と教育実習が重なって、体力的にも精神的にも結構しんどかった‥
そんな方が多いと思いますので、就活がひと段落したこのタイミングで意図的に休息をとるのも効果的です。
また、残された大学生生活を思い切り楽しむのもオススメです。
旅行をしたり、本を読んだり、友だちとイベントを企画したり、両親と時間を過ごしたり‥と、今だからできることに注力しましょう。
たくさんの経験や知識がそのまま教員の糧となって、生徒に還元できるものになりますよ!
角の立たない、内定辞退の方法
ありがたいことに、2つの学校から内定をもらっていて。1つに決めて、どちらかを辞退しないといけない‥。丁寧に内定辞退の連絡をする方法ってどんなの?
就職活動を進める中で、内定を複数の学校からもらえることもあります。
入職できる学校は1つなので、どちらの学校にするのかを選び、そして選ばなかった学校に対しては適切に辞退の連絡を入れましょう。
複数内定をもらったときの学校の決め方
どちらの学校にするか悩んだときには、自分の理想の働き方ができそうな学校を選びましょう!
就活中の自己分析を思い出して
- 自分はどんな先生になりたいと思っているのか
- 自分が大切にしたいと思う教育観はどんなものか
- どんな職場で働きたいと思っているのか
- 5~10年後のキャリアはどんな風になっていたいと思っているのか
というところを改めて確認します。
そして、学校を比べて
- 学校の教育理念が自分の考えと合っているかどうか
- 学校の教育活動が自分の理想と近いものか
- 職場の雰囲気は、働きやすそうか
- 給料、ボーナス、休日などの労働条件は悪くないか
と丁寧に1つずつ考えていきましょう。
>学校選びのポイントの詳細については、コチラの記事も参考にしてください▼
自分の考えにあう学校を選んで就活してきていると思うので、最後はすごく悩むと思います。「あっちの学校にしておけばよかったかも」と思うことは絶対にあると思うので、その時に後悔しないように、納得いくまで悩んでください!
内定辞退の方法【テンプレートあり】
自分が働く学校が決まったら、辞退する学校へ速やかに連絡を入れます。
学校側も、内定を出している方が入職することを前提に準備を進めていますので、遅くなればなるほど、迷惑をかける可能性があります(もちろん、納得いくまで悩んで学校は決めてくださいね!)
辞退の連絡は
- 電話で人事担当へ伝える
- (その後)メールや書面でも伝える
ようにします。
電話だけだと伝えた証拠がなくなってしまう可能性があるので、文面で残る形にしておくことが大切です。
以下にテンプレートを載せておきますので、この形で辞退の旨を伝えましょう。
【電話で伝える場合】
お忙しいところ恐れ入ります。私〇〇大学〇〇学部の●●(自分の名前)と申します。御校の採用面接では、大変お世話になりました。
突然のご連絡で申し訳ございません、お時間を5分ほどいただいてもよろしいでしょうか。
御校からいただいた内定についてのご連絡でした。大変光栄なことに御校から内定を頂戴したのですが、慎重に考えた結果、他校の内定を受けることを決断いたしました。そのため、大変恐縮ですが、内定を辞退させていただきたく存じます。
選考の過程では、大変丁寧にご対応いただき、本当にありがとうございました。また、このような素晴らしい機会をいただいたことに感謝いたします。
まことに勝手なお願いで申し訳ございませんが、なにとぞご理解いただきますようお願いいたします。御校の今後のますますのご発展をお祈りしております。
電話で辞退を連絡する際は、声のトーンや話し方で誠意を伝えることができます。
できるだけ落ち着いて、礼儀正しく、そして自分のために時間を使ってもらったことへの感謝を伝えましょう。
辞退理由は「他校を選んだため」と簡潔に伝えるだけで、詳細は必要ありませんよ!
【メールで伝える場合】
件名:内定辞退のご連絡【氏名】
〇〇学校 〇〇様
お世話になっております。
このたびは、御校の教員採用面接において内定をいただき、誠にありがとうございました。大変光栄に思っております。
しかしながら、慎重に考えた結果、他校での内定を受けることを決断いたしました。御校での素晴らしい機会を辞退することになり、誠に申し訳ございません。何卒ご理解いただけますと幸いです。
お忙しい中、選考の機会をいただき、心より感謝申し上げます。貴校の今後のますますのご発展をお祈り申し上げます。
氏名
〇〇大学〇〇学部
電話番号:〇〇〇〇
メールアドレス:〇〇〇〇
メールで連絡する際も、簡潔に分かりやすく、そして感謝と相手への敬意を示します。
内定辞退は人事としても残念には思いますが、それでも「辞退は一定数出るもの」と考えています。申し訳ない気持ちがあって連絡を躊躇してしまうかもしれませんが、あまり深く考えずに、早めに連絡を入れましょう!
まとめ
今回は、私立学校の内定後に準備すべきこと5選!ということで、内定をもらってから入職までの期間の過ごし方、また内定辞退の方法を解説してきました。
入職までの時間がある中で、教員としてプラスになる知識や経験をすることは、より安心して教員生活をスタートするために必要です。
また、同時に最後の学生生活も思いっきり楽しんでくださいね!
無理しない、充実した教員ライフが実現できるように、参考にしてもらえると嬉しいです。
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