人事が教える|教員採用試験に「受からない」人が見落としている5つのポイント

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教員志望の方

私立の教員採用試験に何年も挑戦しているけど、今年もまた不合格になりそう‥。もう教員になるのを諦めた方がいいの?

教員志望の方

何校か教員採用試験を受けたけど、なかなか内定をもらえない。合格するコツとかがあったら教えてほしい!

教員採用試験に挑戦しながらも、なかなか合格をつかみ取ることができない方、「もう先生になるのを諦めようかな‥」「どうやったら試験に合格することができるの?」とお悩みではありませんか?

私立学校の人事担当として、これまで多くの不採用者の方を見てきましたが、なかなか合格できない方には実は共通した特徴があるのです

この記事では、教員をめざしながらも教員採用試験で不合格になる方の特徴や合格に近づくためのコツをご紹介していきます。

~自己紹介~
私は教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。

この記事を読むと分かること

  • 教員採用試験で合格できない人の特徴
  • 教員採用試験で合格に近づくコツと対策
  • 教員採用試験に合格できない人の質問に人事が回答

ぜひ最後まで読んでいただき、教員採用試験の合格に向けて効率よく対策を進められるよう、応援しています!

目次

合格をつかむための5つのポイントと受からない人の特徴

そもそも、教員採用試験で合格するために、人事担当はどこを見ているのでしょうか?

私立学校で人事担当をしてきている経験から、特に重要な5つのポイントと、それに合わせて「受からない人」の特徴を解説していきます。

先に結論から。重要な5つのポイントは、以下の通り。

  • 熱意だけではなく、具体的な自己分析が大切
  • 筆記試験だけではなく、人物評価でも差をつける
  • 教育業界や学校の情報を徹底的に調べる
  • 主体性とコミュニケーション能力をバランスよくアピールする
  • 「TPO」を意識したふるまいで安心感を演出する

1つずつ、具体的に見ていきましょう!

ポイント1.熱意だけではNG!「具体的な自己分析」が大切

「教育への熱意は誰にも負けない!」と意気込んでいるものの、具体的な根拠や客観的に自分の強みを説明することができない人は、不合格になりがちです。

このパターンでは人事担当者に響く「客観的な自己分析」が必要で、人事は「先生になりたい気持ちが強いのは分かったけど、具体的に何で先生に向いていると思うの?(熱意だけでは続かないよ?)」と思っています。

具体的な根拠や自分の強みを客観的に説明するためには

  • 過去の経験を振り返って、成功体験を分析する(なぜ成功したのか)
  • 過去の経験を振り返って、失敗体験も分析する(なぜ失敗したのか、そこから何を学んだのか)
  • 他者からのフィードバックをもらう

ことが大切です。

そうすることで、「自分には〇〇という特徴があり、教員として働くときの強みになると考えています」と具体的に根拠を示すことができるようになります。

【NG例】*熱意があるのは分かるけど‥というパターン

「私は子どもたちの笑顔が何よりも好きで、先生になりたいと思っています!」
「私は自分が学生だった頃に支えてくださった先生のようになりたいと思い、教員をめざしています!」

【OK例】*具体的に自分の強みを伝えられるパターン

学生時代のボランティア活動で、学習に苦手意識を持っている子どもたちに根気強く寄り添った結果、少しずつできるようになった姿を見て自分事のように嬉しくなりました。この経験から「粘り強く物事に取り組める、また人の成長にやりがいを感じられる」ことに気づき、教員としてその強みを活かしていきたいと考えております。

自分の強みや弱みを効果的に伝えるためにも、具体的にそして客観的に言語化して、それを教員としてどのように活かせるのかを伝えていくことが大切です!

ポイント2.筆記試験だけではなく「人物評価」でも差をつける

筆記試験の対策ばかりを行い、面接試験に対しては「何とかなるでしょ」と軽く考えている人。また、教員としての資質や適性を意識した言動が不足している人は、不合格になりやすいです。

筆記試験の対策ばかりに時間をかけていて、自分の人となりや教員としての適性を伝える練習をしていないと、人事に「で、あなたはどんな人なの?なぜ教員として活躍できると思っているの?」と思われてしまいます。

人事が知りたがっている「教員としての資質・適性」とは

  • コミュニケーション能力がある
  • 周りと協力できる、協調性がある
  • 責任感がある、適切な倫理観を持っている
  • ストレス耐性がある
  • 教育に対する情熱、子どもたちへの愛情

など、多岐に渡り、総合的に「先生として、生徒保護者を任せても問題なさそうだ」と判断しています。

こういった資質や適性は、面接時のやり取りだけでなく、普段の行動や周りとの関わりの中で見えてくる部分も多くあります。

【NG例】*教員として大丈夫かな、と心配になってしまうパターン

筆記試験では高得点で知識は豊富だったが、グループディスカッションで自分の意見ばかりを主張して、周りの参加者との協調性がないような姿勢が見られた(協調性の欠如)。

【OK例】*教員として活躍できそうなイメージができるパターン

サークル活動でリーダーを務め、メンバーの意見の対立を調整し、目標達成に導いた経験を面接で語り、傾聴力とリーダーシップをアピール。集団行動が基本の学校生活の中で、リーダーシップを発揮して教員として活躍している姿がイメージできた。

面接練習や、人前でどのようにふるまうかなどの意識を高めて行動することで、人物評価を高めていきましょう。

自分の考えを論理的に伝える力、相手の質問に性格に答える力、他の人と協働できる力など、普段の行動から意識していくことが大切です!

学校人事担当

模擬授業の準備が全くできていなくて「時間が足りなかったんですが、ここをこうしようと思っています」と言葉で説明ばかりしている人に対して、本気で先生になりたいと思っていないんだな‥と感じたこともあります。

ポイント3.準備不足は致命的!教育業界や学校の情報を徹底的に調べる

過去問をただ解くだけ、面接練習も定型文で答える練習を行うだけで満足していて、最新の教育動向や学校の教育方針を理解しようとしていない人は、不合格になりやすいです。

教員として働きたいと思っているのであれば、教育に対する興味関心を示すことも、教員採用試験ではとても大切です。

その姿勢がないと「教育に対する課題意識もなく、自分勝手に教員として働きたいだけなのかな」と人事に思われてしまいます。

教育業界全体の動向やトレンド、また応募先の学校の教育方針に関する情報をしっかりと収集しましょう。

例えば

  • ICT教育、教育DX
  • 教科横断的な学習
  • アントレプレナーシップ教育、インクルーシブ教育
  • 体験活動、体験学習

など、教育業界で話題になっているキーワードを自分なりに理解して、それに対する意見を準備しておくことをオススメします。

また、私立学校はそれぞれの学校に独自の教育理念を掲げて運営をしていますので、その学校が大切にしている特徴を理解しておくこともとても大切です。

【NG例】*情報収集不足で、まったく回答ができなかったパターン

筆記試験は点数が高かったのに、面接「最近話題のICT教育に対して、どのようにお考えですか?」という質問にまったく答えられず、準備不足を露呈してしまった。

【OK例】*時事問題に対して、自分の意見をちゃんと伝えることができたパターン

貴校の「体験学習を通して生徒の価値観を醸成する」という教育理念に深く共感します。最近はテクノロジーが発達したばかりに、例えば自然に触れたり、人と直接交流したりする機会が極端に減りました。私は実体験こそが子どもたちの成長のベースになると考えておりますので、貴校の教員として生徒たちに多くの体験学習のチャンスを作っていきたいと考えております。
(志望する私立学校の教育理念をしっかりと理解した上で、最近の教育業界が抱える課題や自分の教育観と結びつけて意見を述べることができる)

上記のように、情報収集を行い、それに対して自分の意見をしっかりと持っていることを示せると、非常に好印象です。

1日1つ、時事問題や教育をテーマにニュースをチェックするなど、習慣にしていくといいですね!

ポイント4.主体性とコミュニケーション能力をバランスよくアピールする

丁寧に、間違った行動をしないようにと意識をしすぎるばかりに、指示待ちの姿勢になってしまって自分から積極的に行動しようとしない人。また逆に自分のことばかり主張して「うまくコミュニケーションが取れない」と思われてしまう人は、不合格になりやすいです。

極端に「コミュニケーションが取れないな‥」と思われてしまう言動も、合格が遠のいてしまう原因の1つになり得ます。

教員の仕事は、生徒・保護者・同僚とコミュニケーションをしながら進めていくものばかりですので、コミュニケーションが取れるというのはとても大切なこと。

面接の場でも、面接官はあなたの意見を聞くだけでなく、対話を通じてコミュニケーション能力を見ています

例えば

  • 質問されたことにだけ答えて、自分から質問しない
  • 簡潔に答えることだけを目的にして、自然なコミュニケーションをしようとしない
  • 言われた指示通りにだけ、動く
  • 分からないことや疑問に思うことがない(逆質問をしない)

という感じでまったく主体性がなかったり、逆に

  • 聞かれていない質問に対しても、とめどなく話しまくる
  • 人の話を遮って、自分の話をする
  • 担当者の指示に従わず、全体の調和を乱す

などと、自分勝手な行動をしていると思われてしまうことも避けた方が良いです。

【NG例】*自分勝手に話をしてしまうパターン

面接で自分が準備してきた内容ばかりを話し、面接官の質問の意図を考えることができずに的外れな回答をしてしまった。

【OK例】*主体性とコミュニケーションのバランスが良いパターン

面接官との対話(コミュニケーション)を心がけ、面接官の質問に答えるだけでなく、自分から分からないところや興味のあるところは積極的に質問をし、教育に対する自分の関心の高さと主体性が伝わる面接になった。

人事が評価する「主体性」とは、指示されたことをこなすだけでなく、自ら課題を見つけて改善策を提案する行動ができることです。

面接でうまくコミュニケーションを取り、バランスよく主体性をアピールしていくためには、面接練習が欠かせません!

  • 相手の質問をよく聞き、意図に沿った回答をする
  • より具体的に話をしたいときは、一言「もう少しお伝えさせていただくと‥」と添える
  • 教育現場で主体的に取り組みたいと考えていることを伝える

といったことができるように、繰り返し対策を行いましょう。

>面接対策の詳細については、コチラの記事も参考にしてください▼

ポイント5.「TPO」を意識したふるまいで安心感を演出する

TPOとは:Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場面)の頭文字からなる略語で、「時と場所、場合に応じて適切な服装や言動を選ぶこと」を意味しています。

自分の個性をアピールしようとしすぎて、教育者としてふさわしくない言動や服装をしてしまう人。場をわきまえない自己主張は、採用担当にはネガティブな印象しか与えません。

学校などの教育現場では「教員は子どもたちの模範となる存在であるべき」という考え方が根強いです。

また保護者や社会からの信用というものも大きいですので、奇抜な服装や非常識な言動は、例えそれが個性を表現したものであっても、第一印象としては悪いものになってしまいますので、特に教員採用試験や、面接の場では避けた方が良いでしょう。

個性をアピールするのであれば、自分の趣味や経験などの内面で特徴を伝えていくことがオススメです。

【NG例】*見た目でネガティブな印象を与えてしまうパターン

自分の存在をアピールするために、教育現場にそぐわない派手な服装で面接に臨み、TPOをわきまえる意識の低さを指摘される結果となってしまった。

【OK例】*内面で個性をアピールできるパターン

「私は中学生のころからバレーボールをずっとやってきており、今でも趣味として続けています。バレーボールはまさにチームスポーツで、一人ひとりの強みを活かし、弱点をカバーし合いながら点数を取って勝ちに行く、そんな魅力があります。教員として、生徒たちにも周りとの協働が大切だということをしっかりと伝えていきたいと考えています。」

「個性をアピールすること」と「教育者としてふさわしくない言動をすること」は、全く異なります

せっかくの個性も、出し方を間違えてもったいない結果になってしまうこともありますので、採用試験では特にTPOをわきまえて行動しましょう!

学校人事担当

この人に生徒と保護者を任せたら、トラブルばかりになりそう‥」という印象を持ってしまう人は、不合格になる可能性が大きいです。

教員採用試験に受からない人からのご質問【人事が回答】

何回も、何年も教員採用試験にチャレンジしているんだけど、全然合格できない‥という方が抱える疑問について、人事担当の視点からお答えしていきます!

ぜひ、教員採用試験を受験する際の参考にしてください!

何年も合格できません。もう教員になるのを諦めた方がいですか?

諦める前に、一度立ち止まってこれまでの取り組みを振り返り、新たな戦略を立ててみましょう。今までネガティブな印象を与えてしまっていただけかもしれません。

また、「教員になる」というのは、公立の全日制の先生だけではありません。私立学校や通信制の学校、塾の先生など視野を広げて考えてみるのもオススメです!

年齢が高いと、不利になりますか?

30代までであれば年齢だけで不利になるということはありません。経験や知識を即戦力として活かせることを面接官にアピールしましょう。

どんな経験をしておくことが、教員採用試験合格に向けて有利になりますか?

実際の教育現場などで、子どもたちと関わる経験をしておくことはオススメです。経験を積むことで、自己PRとしてアピールできることも増えてきますよ!

不合格になる人の特徴で、一番大きな影響があることは何ですか?

繰り返しになりますが「生徒と保護者を預けたら、トラブルになりそう‥」という懸念を持ってしまう方は、残念ながら不合格になりやすいです。

不合格が続いて自信を失いかけています。どうしたらいいですか‥?

一人で抱え込まず、信頼できる人に相談してみましょう。また「教員になりこと」にこだわりすぎず、「教員になってやりたいこと」が他の職業でも実現できないかを考えてみると、視点が変わって新しい気づきがあるかもしれません!

学校人事担当

教員採用試験に合格することがゴールではないはずです!「生徒と関わる仕事がしたい」「人の成長に関わる仕事がしたい」など、自分が本当にやりたいことを改めて確認しましょう!

エージェントを活用するのもオススメ!

「なかなか教員採用試験に合格できない‥」と不安に感じている方は、一人で悩んでいては時間がもったいない!

専門のカウンセラーと話をすることで、自分自身の強みを別の角度から見つけることができたり、新たな視点で就職活動を考えることができたりします。

  • 無料で利用できる、相談に乗ってくれる
  • 自分に合った仕事を見直すキッカケになる
  • 一緒に就職活動を進めてくれる(書類や面接対策も)
  • 相談して、やっぱり教員採用試験に合格したい!と思うのも◎

ということで、まずは気軽に相談するイメージでエージェントを活用してみましょう。

20代に特化した転職エージェントUZUZでは、一人ひとりの経験や強みを引き出して、それを転職活動へ効果的に活かせるようサポートしてくれます。

【UZUZ第二新卒】

一人で悩んで、心配な気持ちにばかりなってしまう‥という方は、ぜひ気軽に登録してみてくださいね!

学校人事担当

最近は新卒でも中途でも、エージェントを使って教員になるという方は、非常に多いですよ!

私立学校の教員採用という選択肢

これまで、公立学校の教員採用試験に挑戦してきたけれど、なかなかうまくいかない‥という方は、ぜひ私立学校の教員採用も視野に入れてみてください

私立学校の教員採用も検討すべき理由

「教員になりたい」=「公立の先生になりたい」と考えている方も非常に多いですが、そんなことはありません。

私立学校には、独自の養育理念や特色があり、公立学校とは異なる魅力があります。

あなたの個性や経験が、私立学校の教育方針と合致する可能性も大きく、あなたの力が即戦力として発揮される環境があるかもしれません

また私立学校は年間を通して採用活動をしているところもありますので、スケジュールも公立の学校と比べて柔軟ですね。

ご自身の考える教育観と近い私立学校があれば、ぜひチャレンジしてみることをオススメします。

公立学校との違い

教員志望の方

急に私立学校がいいよ!と言われても‥。公立のことしかよくわからないし‥

学校人事担当

そんな方のために、公立と私立の違いを簡単にご紹介します!

(公立学校と比べて)私立学校の特徴

  • より専門性の高い教育最新の教育に携わることができる
  • 少人数制で、生徒一人ひとりに寄り添った教育ができる
  • 自分の経験やスキルを発揮して教員として働くことができる
  • 学校の教育方針と自分の教育観が合っていると、とても働きやすい環境になる

といった形で、実は私立学校の方が働きやすいと感じる人も一定数いるのです(筆者もそのうちの一人です)。

>公立と私立の違いについては、コチラの記事も参考にしてください▼

私立学校の人事担当者が重視するポイント

私立学校は公立学校と比べて特徴が異なるため、教員の採用試験で重視するポイントも公立学校とは異なります。

私立学校の教員採用試験で、人事担当者が重視するポイントをご紹介します!

  • 学校の教育理念への共感
  • 応募者ご自身の教育に対する考え方
  • 専門分野(専門科目やPCスキルなどの専門性)
  • 生徒指導への熱意
  • 学校運営への貢献意欲(どのように学校に貢献するつもりか)

もちろん、基礎的な学力や教員としての知識なども確認されますが、それよりも人物重視で「教育に対してどんな考えを持っているのか、どんなスキルでどう学校に貢献してくれるのか」を見ています。

学校人事担当

比較的、公立学校よりも「その人がどんな人なのか、どういうことができるのか」を重視して採用活動を行っています。

まとめ

教員になりたい!という熱い気持ちを持っている方でも「教員採用試験に受からない‥」と自信を無くしてしまい、先生になる夢をあきらめてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

焦らず、諦めずに、そして戦略的に。今回お伝えした5つのポイントを参考に、ご自身の試験対策を再度見直してみてください。

  • 熱意だけではなく、具体的な自己分析が大切
  • 筆記試験だけではなく、人物評価でも差をつける
  • 教育業界や学校の情報を徹底的に調べる
  • 主体性とコミュニケーション能力をバランスよくアピールする
  • 「TPO」を意識したふるまいで安心感を演出する

また、公立の先生という選択肢だけでなく、私立学校の教員として働く道や、エージェントに相談することでまた「別の教員として働く道」が見えてくる可能性もあります!

みなさんが「自分らしく教員として働く」を叶えられるよう、応援しています!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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