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人事が教える|教員の働き方改革!私立学校のリアルな職場の変化【私立への転職】

転職前の準備編
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公立の先生A
公立の先生A

教員の働き方改革が進んでる!」とか聞くけど、それってホント?全然変わってる実感ないんだけど‥

公立の先生B
公立の先生B

先生の仕事って大変ってイメージあるし、そりゃなりたいっていう人も減るよね‥。人手不足でもっと現場は大変になるのかな‥

「教員の働き方改革!」という言葉が聞かれるようになっていますが、現場で働いている先生方はあまり実感されていないことが多いのではないでしょうか?

特に公立の学校では、まだまだ先生の業務負担が大きいですよね‥

一方、私立学校では「より先生方が働きやすい環境」を実現するための動きを取り入れている学校もあります

今回の記事では私立学校での人事担当8年の経験を活かして、学校における働き方改革の詳細と、私立学校でのリアルな変化について、ご紹介していきます!

~自己紹介~
教員一家に生まれ、両親・叔父叔母・祖父はみんな公立小中高の先生。そして自身は英会話講師 → 私立高校で教員 → 今は教育関連企業で会社員しています。
教育業界で10年。そのうち8年間は人事を担当。教育業界での採用や転職に長く関わってきました。その経験をもとに、記事を書いています。

この記事を読むと、こんなことが分かります!

  • 教員の「働き方改革」で変わることが分かる
  • 私立学校で進んでいる働き方改革の実例が知れる
  • 自分にとって働きやすい学校を考えられるようになる

「働き方改革とは無縁だ‥」「自分を犠牲にして働き続けるしかないのか‥」と先生という職業そのものを諦めてしまう前に、「より働きやすい学校がある!」ということを知っていただければ嬉しいです。

ぜひ”自分らしく、楽しく先生する方法”を見つける1つのヒントになれば幸いです!

教員の働き方改革とは

「教員はブラック労働だ」と私の父親も良く言っていますが(←公立中学校教員)、学校の先生は本当に大変な毎日を送っていらっしゃいます。

  • 早朝の部活の朝練
  • 自分のクラス運営、生徒指導
  • 保護者対応(夜遅い時間に電話したり)
  • 担当科目の授業
  • 給食対応
  • 放課後の部活指導
  • 職員会議、学年会議、教科担当会議
  • 休日出勤(地域行事、部活の試合など)

そして「子どもたちのため」という言葉だけで、永遠に続いていく業務‥。

そんな働き方がまかり通っている学校現場では、先生の長時間労働や精神疾患、本当にひどい時には過労死などの事態になることもあります。

ワークライフバランスとはかけ離れている現状に対して、文科省が改善を進めようとしているのが「教員の働き方改革」です。

学校における働き方改革の目的は、教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようになること。

中央教育審議会(第123回)配付資料
学校人事担当
学校人事担当

(一般企業も同様ですが)長時間労働が当たり前だった時代はもう過去のもの。日々を充実させることが、結果的に良い仕事につながる環境を作ることが急務、ということですね!

働き方改革の具体例

では、働き方改革で実際に改善策としてどんなことが言われているのかを見ていきましょう!

■教員の業務負担軽減

  • 事務作業の簡素化、専門担当者の設置
    学習評価や成績処理、通知表作成などの事務作業を、デジタルやAIを活用して効率化したり、他の専門スタッフにやってもらう
  • 進路指導や給食指導
    専門スタッフの配置を行い、学級担任業務とは切り離す
  • 特別な支援が必要な生徒や保護者の対応
    専門スタッフの配置を行い、連携を強化して対応
  • 部活動の在り方を改革
    部活動の指導時間の削減や大会実施の日程調整、外部指導者の活用を推進
  • 教員の多様な働き方
    フレックス制やリモートワークの導入の促進

■教員研修の充実

  • メンタルヘルス支援
    定期的なストレスチェックの実施
  • 指導力向上のためのオンライン研修実施
    免許交付や採用試験の在り方を再検討

といったように、自治体の教育委員会や各学校の校長先生の責任の元、教員が働きやすい環境を整えましょうという方針です。

また、今後の動きとしては

  • 小学校3・4年生にも教科担当制を広げていく(5・6年生は実施済み)
  • 残業代として支給されている「教職調整額」を4%から10%以上に引き上げを検討
  • 新任教員にはクラス担任を持たさず、教科担当として配置する

など、教員の給与を増やすと同時に勤務時間削減し、人材の確保を目指しているといったこともニュースになっています。(時事ドットコムニュース/教員月給上乗せ「10%以上」 教科担任、小学3年から―残業45時間内・中教審部会

ただ、国が目指している方向性や動きと、実際の学校現場での動きは違う‥というのはよくあること。

公立学校の先生
公立学校の先生

10年前と比べて働きやすくなった!と言われても、私まだ10年も働いてないし‥。一般企業にいる友だちの話と比べても、教員の毎日の業務はやっぱり大変だと思う。

こんなふうに感じる方も多いですよね‥。

私立学校での働き方改革

一方で、私立学校では「教員の職場環境をよくする動き」がより分かりやすく実現されている学校もあるんです。

私立学校が「働き方改革」に力を入れる理由

なぜ、公立に比べて私立学校では働き方改革が進んでいるのか、現状をご紹介しますね!

私立学校で働き方改革が進んでいる理由は、ざっくり以下の4つ。

  • 学校のブランド力向上
    私立学校には各学校が掲げている教育理念があり、その理想の教育を実現させるためには教員がいきいきと働ける環境を整えることが大切だと考えているから
  • 質の高い教育を提供するための環境づくり
    教員が事務作業などに追われることなく、生徒に向き合える時間を作ることで、より質の高い教育を提供することができ、生徒保護者の満足度も上がるから
  • 教員の定着率向上
    働きやすい環境を整えることで、教員の離職を防ぎ、安定した学校運営を行うことができるから(教員の採用や育成って本当に大変なんです)
  • 多様な人材の確保
    さまざまな働き方を選択できることで、より多くの魅力的な人材を教員として招き入れることができるから

私立の学校は運営していくために、生徒を集めて入学者を確保していかないといけません。

そのため、学校としての魅力を高めたり、よりよい教育を提供できるようにするために、教員に対しても働きやすい環境を作る努力をしている学校が多いのです。

学校人事担当
学校人事担当

教育委員会との連携が強い公立学校とは異なり、学校の理事長中心に経営陣が学校運営を直接管理できることも、変化が早い1つの要因ですね!

私立学校での現場のリアル

実際に私立学校での勤務経験を基に、働き方改革について現場ではどんな感じだったかをご紹介します!

ちなみに私の勤務状況はこんな感じです。

■基本データ
・私立高校
・英語科専門
・担任業務、教科担当、本部業務(教務、採用)担当

今振り返っても、かなり自由な働き方が認められていたと思っています。

「こんな学校もあるんだ」と参考にしてみてください!

①多様な働き方

働き方改革でよく話題にされるのが、多様な働き方。

決められた2~3時間のコアタイムを中心に、勤務時間を自分で決めることができるフレックスタイム制や、学校へ出勤せずともオンラインで働けるリモートワークなどが有名です。

私が勤務していた頃、コロナ前はそんなに特別柔軟な働き方はできませんでした(育休後の時短勤務などの制度はもちろんありましたが)。

コロナ後は、リモートワークが認められるようになって、自分の業務のスケジュールによって学校に出勤したり自宅でオンラインで仕事をしたりすることができるようになりました。

通勤ラッシュ時に外に出なくていいのが快適すぎです!

今でも週に1~2回、自分のスケジュール次第で自主的にリモートワークの日を作るようにしています。

②業務の役割分担

公立学校は「自分のクラスのことは全て自分でやる」というスタイルが多いかなと思うのですが、私立学校は業務の役割分担がハッキリしています。

もちろんクラス担任は持ちますが、例えば授業担当、進路担当、留学担当、学校イベント担当など細かく担当が決まっているので、「詳しいことは〇〇先生に聞きに行こう!」という対応ができます。

生徒の興味や考えはそれぞれなので、全てを1人で理解して、生徒保護者の対応をするなんて、絶対に無理ですよね。

また、部活動の担当も外部の専任の方がいらっしゃるので、教員は基本的には部活の担当はナシ。

平日も定時で帰れるし、土日に仕事が入るなんてこともありません

※担当業務によっては土日の出勤もありますが、その分平日にちゃんと休みますよ!

③業務効率改善

冒頭の業務負担軽減でご紹介した「事務作業の簡素化」の1つとして、業務効率を改善しよう!という動きの一環で、デジタルやICT、AIの力を業務に取り入れていました

例えば、生徒保護者とのコミュニケーションは専用アプリを使っていてチャットのような文字ベースが基本、そして電話は必要最低限。

また成績管理もデジタル処理されますし、生徒からの提出物もオンライン上で確認、面談も保護者のご要望に応じてオンライン、教員間のコミュニケーションも専用アプリを使っています。

タイピングで文字を入力する方が直接書くよりも速いですし、紙じゃないので修正も速い、保護者や同僚などと顔を合わせずに必要なことが伝達できるというのもかなり効率が良いと思います。

そして、実際に先生は担当生徒とのコミュニケーションに時間を割くことができるので「時間をかけるべきところにかけられる」という環境が整っているなと感じます。

④キャリアアップの道

「5年後、10年後の自分の姿が想像できない‥」と不安に思う先生方も多いかもしれませんが、キャリアアップは人事的にも大きな課題の1つ。

私立では独自の研修制度を設けている学校もあり、私の学校でも経歴やテーマに合わせて研修が多くありました。

  • 新任者、新卒教員研修(1年目対象)
  • リーダー研修(3~4年目対象)
  • マネジメント研修(6~8年目対象)
  • 業務理解研修
  • 社会人、ビジネス研修
  • 他校の先生との交流、勉強会
  • 一般企業との交流、勉強会

などなど、教員力をアップさせる研修から自分のキャリアを作っていくための研修など多種多様。

繰り返しですが、魅力的な学校を作るためにはそこで働いてくれる先生方がとても大切なので、教員(人材)育成にも力を入れている、という背景です。

働いている教員としては、働かせてもらうのと同時に勉強もさせてもらって、数年先の自分のキャリアのことも考えられるというのは、安心ですよね。

もちろん、まだ課題もある‥

働き方改革が進んでいる例を4つご紹介しましたが、もちろんまだ課題もあります

もっとこうだったらいいのになーと(超個人的に)思うところが

  • 休憩スペースがあるといい(生徒の目線が届かないところ)
  • お手洗いが新しくてキレイだと嬉しい
  • デスクが広くて、作業内容によって場所を変えられる自由な空間があるといい
  • 入力作業が多いのを減らしたい(1つ登録したら、他のシステムにも反映してほしい)

この辺りは人によっても感じ方が異なりますし、建物の作り方もあるので簡単にどうこうできるものじゃないのは理解しています。

100%カンペキな職場なんて存在しないので、組織に属して働くのであれば70点あれば十分!と思いながら働くのが良いですよね!

学校人事担当
学校人事担当

働き方改革について、大きく分けて4つの事例をご紹介しました。学校によりけりですが、割と進んでいる方なんじゃないかなぁ?と思います!

自分に合った働き方ができる私立学校を探そう

ここまでご紹介してきたように、教員の仕事と一言で言っても、ひと昔前とは大きく変わってきています。

もちろんまだまだ課題も多いですが、それでも特に私立学校では、働き方改革が進み、教員にとって働きやすい環境が整いつつある学校が多くなってきています

「先生という仕事が好き」「楽しく先生を続けたい!」という方にとっては、自分が快適に働き続けられる学校選びがとっても重要!

公立の先生
公立の先生

どうしたら働きやすい学校って見つかるの?結局学校ってどこも一緒なんじゃないのかな‥?

と思われる方のために、自分に合った働きやすい学校の探し方をご紹介します!

ざっくり手順は以下の5つ。

  • 自分の理想の働き方を書き出す
  • 優先順位をつける
  • 学校情報を探す
  • 説明会に参加する
  • 気に入った学校があれば、採用試験を受けてみる

具体的に解説していきます。

自分の理想の働き方を書き出す

まずは、自分の働き方の理想を具体的に言語化してみるところからスタートしていきます。

「私はこんな働き方をしたい」「こんな風に先生として働きたい」ということを、ズラーっと出していきましょう。

例えば‥

  • 残業がなく、毎日定時で帰れる
  • 土日は休みがいい/土日は仕事で平日休みがいい
  • 教員としての経験値を積んで、レベルアップしたい
  • 一人ひとりの生徒に寄り添える教育がしたい
  • ICTツールを使って、新しい教育スタイルに挑戦したい
  • 自分の学校以外の先生たちとも交流を持ちたい
  • 年収は今より下がるのは困る

理想を言語化するのが難しいなと感じる方は、「イヤだな」と感じることを書き出して、なぜイヤだと思うのかを考えてみましょう

例えば‥

  • 自分が担当しないといけない仕事が多すぎる
    →(本当は)業務分担や担当分けがしっかりされている職場で働きたい
  • 自分の仕事の頑張り度合いと給料が見合っていない気がする
    →(本当は)評価基準が明確で、分かりやすい評価体制が整っている学校で働きたい
  • 「もっと時間があればこんなことも教えられるのに」と思うことがストレス
    →(本当は)少人数制で生徒一人ひとりのサポートが手厚い学校が良い
  • 毎日残業、土日も仕事ばっかりで休める時間がない
    →(本当は)定時で帰れて、自分の趣味やスキルアップに時間を使える生活を送りたい

といったイメージ。

「現実的にどうかな?」と考え出すと自分に合った理想の職場からかけ離れてしまうので、まずこの段階では【なんでも叶うとしたら、こんな風に働きたい!】というものを、自分の心に素直に書いていきましょう

優先順位をつける

次に、書き出した理想の条件に対して、優先順位をつけていきます

理想が全て叶う職場で働けることが一番いいのですが、そんな都合の良い学校が見つかる可能性は高くはありません。

「この条件は絶対譲れない」「これは、まぁあればいいかなレベルで」という感じで、上から順番に自分にとって大切な条件を決めていきます。

例えば、

  • 残業がなく、定時で帰れる
  • 休みの日には絶対に仕事が入らない(休みは土日でも平日でもどちらでもOK)
  • 生徒一人ひとりに寄り添った教育をしたい
  • 新しいことにチャレンジできる職場がいい
  • 先生同士の距離は近すぎず、ビジネスライクな感じを希望

という感じで、上から順番に「譲れないポイント」を決めていきます。

1つずつ順位をつけていくことが難しければ「①これは絶対譲れない」「②あれば嬉しいかな」「③正直どちらでも大丈夫」と、グループで分けても良いです!

この優先順位をつけることが、自分にとって働きやすい学校を見つけやすくなります

>自分の理想の働き方を考える方法は、コチラの記事も参考にしてください▼

学校情報を探す

理想の条件に順位付けができたら、転職サイトや求人サイトで学校情報を探していきましょう

それぞれの学校の募集要項や先輩の声などの情報を確認しつつ、先ほど決めた優先順位の高い条件をクリアしている学校があるかを探していきます。

学校情報を見ていると、自分一人で考えていた「理想の働き方」には入っていない条件が出てくることもあります。

新たに出てきた条件についても、1つずつ自分にとって大切か、あまり気にしないかを考えて、順番付けをしておくと良いですね。

学校人事担当
学校人事担当

地域によっては学校の数が限られているところもあります。良さそうな学校がない場合は、地域を広げたり、自分の条件を見直してみるのもオススメ

説明会に参加する

学校情報を探す中で、もう少し詳しく知りたいなと思う学校が出てきたら、思い切って説明会に参加してみましょう

「まだ転職するって決めたわけじゃないし‥」と思っている方でも、自分の選択肢を広げるための情報収集だと思って、遠慮せずに参加してみることをオススメします。

説明会では、求人情報には載っていない細かい情報や、担当者の雰囲気など、文面では分からない情報がたくさん手に入ります。

また、質疑応答の時間があれば気になっていることを聞くこともできますので、ぜひ積極的に活用したいところです。

学校人事担当
学校人事担当

普段通っている学校だけが「学校」ではありません。他の学校で行われている教育やそこで働いている先生の様子を見るだけでも、世界が広がります

>こんな学校情報は絶対確認して!というポイントが、コチラの記事にまとまっています▼

採用試験を受けてみる

学校の求人情報を見て「この学校で働いてみたいな!」と思えるところがあれば、採用試験に応募してみましょう

自分の理想の働き方を考えて、見つけた学校であれば、働きやすい環境が整っている可能性が高いです。

(こんなこと人事担当が言うのもなんですが‥)最終的に本当に転職をするかどうかは、試験に合格して内定をもらってから考えても十分間に合います。

採用面接を進めていく中で、また新たに学校情報を知ったり、採用担当者のふるまいや言葉遣いなどから職場の雰囲気が分かることもあります。

そういったことを総合的に考えて、「今の学校よりも楽しく、自分らしく教員という仕事を楽しめそう!」と感じられたら、内定承諾をしていきましょう。

>教員の転職活動の全体像は、コチラの記事も参考にしてください▼

まとめ

今回は、教員の働き方改革について、国が進めようとしている全体的な方針と、私立学校で取り入れられている現状をご紹介してきました。

どんな職業でも、もちろん仕事は大変なものだけど、「先生だってもっと楽しく働いてもいいんじゃない?」とずっと感じていたのですが、働き方改革が本当に進んでいって、より安心して仕事ができる環境が整えばいいなと思っています。

が、待っているだけでは苦しい時間が続くだけ‥!ということであれば、働き方改革の流れに乗って自分の働きやすい学校に転職するのもオススメです!

先生という仕事が好きな方だからこそ、楽しく自分らしく働ける環境(学校)を見つけていただきたいなと思います。

参考になれば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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